一身独立

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「一つの中国」政策


中華人民共和国政府は、長らく「一つの中国」政策を取っている。

「一つの中国」政策とは、国共内戦の結果、国民党政権が成立した台湾を含めて一つの中国に属するという立場を取るものだ。つまり「一つの中国、一つの台湾」や「二つの中国」は頑として認めていない。この政策は台湾の国民党も保持している。1992年に両者は、「台湾も大陸も一つの中国に属する」ことで合意した。これは「92年コンセンサス」と呼ばれている。一方台湾で民主化後に台頭した民進党は、かつては台湾独立を問うことを公にしていた。しかし今は公には「一つの中国」を否定していない。否定すれば、現状変更を嫌うアメリカと中国の両方を敵に回す恐れがあるためだ。

両岸の「一つの中国」政策によって、他国は国交を結ぶ相手を二者択一で選ばなければならなくなった。当初日本を含めた西側諸国は、台北の中華民国政府と国交を結んでいた。しかし中ソ対立などを受けて、60年代から70年代にかけて、西側諸国が台北の中華民国政府と断交し、北京の中華人民共和国政府と国交を結んでいった。日本も1972年の田中角栄内閣の時に、田中が訪中、国交正常化を果たす。現在中華人民共和国ではなく、中華民国と国交を結んでいる国は、20程度しかない。

「一つの中国」政策が顕著に表れるのが、スポーツだ。中国はあらゆる国際的な場で、台湾は国ではなく、中国の一つの自治体であると主張している。五輪などのスポーツの舞台では、中華民国の国旗が使われることはほぼない。公式な場では、台湾の五輪協会の旗が用いられている。中国がIOCなどのスポーツ団体や国際機関に圧力をかけているためだ。台湾はスポーツの舞台では、「中華台北(Chinese Taipei)」という、台湾代表とも、中国の一部とも取れる表現で、出場を許されている。

国際機関において、台湾は中国の圧力に屈した各機関によって脇に追いやられている。IMFにおいては、台湾はTaiwan, province of Chinaと表記されている。中国と台湾が対等に地位を得ているのはAPECくらいだ。

「一つの中国」政策は、共産党の支配の正当性を支える重要なイデオロギーだ。彼らの正当性の源泉は、日本帝国に対する勝利(本当は日本軍と戦ったのはほとんど国民党だが)と国民党に対する勝利である。今後も簡単に、彼らが「一つの中国」政策を捨てることはないだろう。


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