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エネルギーで一身独立

自由・自立・自律と、エネルギー問題を中心にサステナビリティに関する有益な情報を提供するための記事を書いています。

発想の転換を迫られる「ベースロード電源」という虚構


欧州の動向を見ると、日本の電力供給は根本的な発想の転換を迫られていることが理解出来る。

私が話をしたり、著作を読んだ日本のエネルギー専門家の多くは、「変動型再生可能エネルギー風力発電太陽光発電)の大規模導入には、バックアップ電源が必要であり、そのコストは莫大である」という主張を受け入れている。

資源エネルギー庁の文書(www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/mitoshi/005/pdf/005_05.pdf )や、電気事業連合会のウェブサイト(www.fepc.or.jp/enterprise/jigyou/juyou/sw_index_01/ )も同様で、変動型再生可能エネルギーは電力の安定供給の邪魔であるとともに、電力の安定供給のために全体に占める割合を誤差程度に留めたいという意向がはたらいているものと想定出来る。

石炭火力発電・原子力発電・地熱発電・流れ込み式水力発電といった電源は、ベース(ロード)電源として、安定して最大限の主力を発揮することが期待されている。需要の変動には出力調整が容易な天然ガス火力発電がミドル電源として、同じく出力変動が容易な揚水式水力発電がピーク電源として対応する。

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出典:関西電力ウェブサイトより引用

このような電力供給の運用が、安価で安定した電力供給のための常識と日本では、されてきた。

しかし潮目は変わりつつある。
世界経済フォーラム」が出した文書( http://www3.weforum.org/docs/WEF_Renewable_Infrastructure_Investment_Handbook.pdf)によれば、現在世界の30以上の国で、太陽光発電のコストは、石炭火力発電を下回っている。環境負荷が小さいが、コストが高いというのが風力発電太陽光発電を語る時の常套句だった。
それが現在の欧州では、コストの安い風力発電太陽光発電といった変動型再エネを最大限稼働させ、残りの需要を他の電源で賄うという運用が行われている。ベース電源に変動型再エネを加えるのではなく、変動型再エネを最大限運転させ、残りを火力発電や国外との広域融通で賄うのである。

このような運用が広がった結果、ドイツでは火力発電所稼働率が下がり、大手電力会社が政府に補償を求める裁判を起こした。
現在国は「ベースロード電源市場」や「容量市場」の創設を検討している。しかしこれらの制度は従来のベースロード電源をベースとした電力供給を今後も続けていくことを前提とする誤りを犯している。

変動型再エネのコストが、火力や原子力と比べ安くなるということは、変動型再エネで生産された電力を極力使うことが、電気代の低下につながるということである。エネルギー専門家であっても、日本ではこの事実を認識しているとは言い難い。
変動型再エネが、従来不可能と言われてきた「3E+S(経済性、安定供給、環境+安全性)」というエネルギー政策の条件を全て満たす時代がもう間もなくやってくる。


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