一身独立

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因果推論の三要件


「あの人はなぜ事業に成功したのだろう」「あんな人がなぜ選挙で当選したのだろう」などと、私たちは普段多くの推論を行っている。

推論とは、原因(身長が高かったから、頭が良かったから)から結果(事業での成功、選挙での当選)を推測する営みである。

学問の世界では、原因のことを独立変数(もしくは説明変数)と、結果のことを従属変数(もしくは応答変数)とも呼ぶ。

因果法則を確認するために、よく用いられるのが以下の三つの条件である。


1.原因の時間的先行
2.原因と結果の共変
3.他の変数の統制


順番に説明していこう。

1,原因の時間的先行

気温が上がった時に、ビールの売り上げが上がったとしよう。この場合なら原因(気温の上昇)が先で、結果(ビールの売り上げの上昇)が後という関係が容易に確認出来る。
しかし体重の多い人が収入も多いという関係はどうだろうか。体重の多い人は経済的に成功しやすい(体重が原因で、収入が結果)のか、経済的に成功した人が美味しいものを食べて太っている(収入が原因で、体重が結果)のか、判別しがたい。

この例の場合、どちらが原因なのかは、個人によって異なり、一般化は難しいかもしれない。

政治学の課題で言えば、経済成長と民主化の共変関係が確認出来たとしても、国によって、どちらが原因かは異なる。こうなると過度な一般化は避けられるべきだろう。

2,原因と結果の共変

これは解りやすいと思う。同じ時期に、GDPが上がり(原因)温室効果ガスの排出量も上がる(結果)、もしくはGDPが下がり温室効果ガスの排出量も下がる、という関係が確認されれば、原因と結果の共変が確認されたことになる。

3,他の変数の統制

気温とビールの売り上げの関係で言えば、ビールの売り上げという結果に与える気温以外の要因が変動していないことが重要である。例えばビールの値段や、発泡酒(代替財)の存在などだ。

別の例を挙げよう。身長が高い人は所得も高いという関係が観察されたとしよう。しかし所得が高いという結果には、学歴、勤続年数、企業規模、親の所得など様々な他の原因が想定出来る。適切な因果推論をするには、それらも統制されなければならない。

複数の原因の中から、どれが一番効いているかを測定する統計学の手法に、重回帰分析があるが、それはまた次回以降に紹介したい。

これら三つの条件を満たした場合、妥当な因果推論がなされていると言えるのである。

原因を推論する -- 政治分析方法論のすゝめ

原因を推論する -- 政治分析方法論のすゝめ


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