一身独立

多動性を発揮し、「21世紀の百姓」を目指す27歳元エリートのブログ。

「資源の呪い」はラテン・アメリカにあてはまるか


今日は授業でプレゼンした内容をブログにまとめたい。

テーマは「資源の呪い」だ。

資源の呪いとは、資源富裕国では民主化が起きにくいという、比較政治学における有名な理論だ。多くの反証に耐え、研究者の間では通説と化している。そして独裁・貧困を持続させるものとして、問題視されてきた。

ある国の民主化度合いを測る指標はいくつかある。ここではポリティ指標を用いる。
ポリティ指標では、ある国のある年の民主化度合いは、-10から10の21段階で表す。6以上が民主的な国とされている。例えばこれが日本の指標だ。

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戦後の占領期は、国民の意思が政治に反映されているとは言えず、低い数値であった。しかしGHQの撤退以後は、競争的な全国選挙が一貫して行われ、最高の数値である10を保っている。

資源の呪いが当てはまる国と言えば、中東の産油・産ガス国が有名だ。
サウジアラビアカタールのポリティ指標を以下に並べる。

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このように両国は、一貫して最低の数値である-10となっている。
これらの国で民主化が起きない要因として、資源に依存した経済であることが指摘されてきた。

製造業やサービス業などの労働集約的な産業が、国の基幹産業である場合、労働者(納税者でもある)は税金の使い方を監視するインセンティヴを持つ。しかし資源に依存した経済の国では、国の基幹産業でGDPを稼ぐ労働者は、国民のほんの一部となる。多くの国民は納税する必要がなく、ただ福祉を受けるだけになる。その結果、政府の税金の使い方を監視するインセンティヴがはたらかない。
これが資源の呪いが起きる経路とされている。

ベネズエラ、チリなどでは、輸出に占める一次産品(資源・コモディティ)の割合が80%を越えている。

これらの国では、資源の呪いが起きているのだろうか? ポリティ指標を見ていこう。

まずは原油に大きく依存する経済で、中東産油国と似たような構造を持つベネズエラを見ていく。

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実はベネズエラは資源の呪いの逸脱事例として知られている。特に60年代から80年代にかけて、民主的な選挙が行われてきた。


チリも輸出の30%を銅に頼る資源国だ。しかし軍政の期間に銅の価格も生産量も上がっていない。

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チリでは、権威主義体制による資源ナショナリズムが起きなかったと言える。

このようにラテン・アメリカでは、資源の呪いは観察出来なかった。これがなぜなのかは、先行研究を調べていきたい。


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