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エネルギーで一身独立

自由・自立・自律と、エネルギー問題を中心にサステナビリティに関する有益な情報を提供するための記事を書いています。

EACLCを終えて

350 ダイヴェストメント 気候変動 個人活動


韓国で行われたEACLC(East Asia Climate Leaders Camp:東アジア気候リーダー育成キャンプ)から30日に帰国した。辛い食べ物はもう嫌というほど食べたので、しばらくは要らない。でも肉はとても美味しかった。韓国人の友達も新しく出来たので、また韓国を訪問出来るようにしたい。

帰国から3日経ったものの、未だに感想を上手くまとめられない。キャンプではそれくらい多くの刺激と衝撃を受けた。

キャンプは職場である気候変動対策NPO「350.org」の主催で行われ、各国の350.orgメンバーやパートナーの環境団体スタッフなどが集まり、3日に渡って行われた。
私はボランティアとして、そして8月からはインターンとして350.org Japanに関わってきた経験を踏まえ、ある程度彼らの目標と戦略については理解を持っていた。そのため今回の会議への参加の目的は、日本でのキャンペーンを具体的に成功に導くためのアイディアを得ることに定めていた。

初日は台湾の環境NPOの職員と話すことが出来た。350.orgは主に気候変動の原因となる温室効果ガスの排出を根拠にして、石炭火力発電所を問題視している。しかし彼女が働いている団体は、大気汚染を問題視して活動しているという。彼女たちが持ってきた資料によれば、台湾中部にある台中市には韓国資本が開発した、570万kw(キロワット)にも及ぶ世界最大の火力発電所群(10基の石炭火力発電所と4基の石油火力発電所)が立地しているという。
これまで350.org Japanのキャンペーンでは、気候変動の問題を中心に据えてきた。しかし今後は大気汚染に焦点を当てて、立地地域住民の健康被害に焦点を当てるキャンペーンを行う必要もあるかもしれないと感じた。

またヴェトナムからの参加者が、日本の政府機関であるJBIC(国際協力銀行)やJICA(国際協力機構)の石炭支援を問題視していることも、大きな衝撃だった。環境NPOの業界に入り、日本の企業や政府機関が石炭事業を海外で行っていることを知ってはいた。しかし実際に現地人が反発している様子を聞くと、一日本人として責任を感じざるを得なかった。
日本企業や日本政府は、日本の高効率の石炭火力発電技術は、世界の環境汚染を軽減するのに資すると考えている。しかし途上国企業や政府が石炭火力発電所誘致を望み、現地の住民が反発しているという民意がねじれた状況で、日本企業や政府が石炭事業を進めるべきなのか、もっと慎重に検討されて良いはずだ。

2日目はフィールド・ワークだった。キャンプが行われたチュンチョンナム道(日本でいう都道府県)には、韓国の石炭火力発電所の約半分が立地している。
地元で反対運動に行っている方によれば、石炭火力発電所からの排出物によって、ガンなどの形で健康被害が出ているという。私たちはダンジン石炭火力発電所と、その新規立地計画予定を見学した。

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(ダンジン石炭火力発電所)

近くには家族連れが海水浴を楽しむビーチがあり、とても環境汚染が起きている場所とは思えなかった。
日本では94基の石炭火力発電所が現存し、48基の新規石炭火力発電所建設計画がある。電力生産は、石炭の他にも天然ガス原子力再生可能エネルギーなどの多様な代替手段がある。日本にこんなに石炭火力発電所は必要なのか、改めて考えさせられるフィールド・ワークとなった。

3日目は他の地域とどんな協力が出来るか話し合った。例えば気候変動や大気汚染は、被害に脆弱な人々が多い、途上国においてより悪影響が大きい。途上国で日本企業がプロジェクトを行っている場合、途上国と日本の市民団体が共同でキャンペーンを行うことが出来るという提案がなされた。途上国の市民団体には、先進国の市民団体のリソースを使いながら、気候変動や大気汚染の被害を受けている人々の声を大量排出者が多くいる先進国に届ける役割があると思う。
一方私たち日本の市民団体にとっても、日本人は石炭火力発電所がもたらす気候変動や大気汚染の被害を良く知らないので、途上国の人々の被害を共有することは日本人の啓発につながると思う。

日本でのキャンペーンについては、他国のキャンペーンを聞く中でいくつかアイディアを得ることが出来た。そのうちの一つにヴェトナムで行われたブラック・デーがある。これは石炭をもじった黒いペンキを全身に塗って、路上でアピールするキャンペーンである。日本には化石燃料の燃焼による温室効果ガスの排出が悪いことだという認識が足りない。まずはこの点を啓発出来るキャンペーンを今後行っていきたい。

私が今回のキャンプで感じた一番の教訓は、「難しいからこそやる価値がある」ということである。石炭火力発電所のプロジェクトを止めたり、金融機関に「パリ合意」と整合的な投融資方針を取り入れてもらうことは簡単ではない。しかし簡単ではないからこそ、誰かが本気で取り組み、気候変動や大気汚染の被害に苦しむ人々を減らしていく必要がある。


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