一身独立

多動性を発揮し、「21世紀の百姓」を目指す27歳元エリートのブログ。

気候変動が貧困を導く。


世界銀行が出版した気候変動が貧困に与える影響を分析したレポートを読んでいる。
気候変動が人権問題であり、中間層を貧困層に、そして貧困層をより貧困に導くリスクがあることは日本ではあまり知られていないと思う。
気候変動といえば、シロクマの住処がなくなってしまう、という話に矮小化されてしまいがちだ。

しかし気候変動が貧困層に与える影響は多岐に渡る。
例えば農業の生産性が低下することによって、食料品の価格が上がる。これが支出に占める食料の割合が高い貧困層を直撃する。
また自然災害は彼らの資産を破壊し、健康と教育環境の悪化にも影響する。
こうした背景には、貧困層の多くが気候変動の影響を受けやすい農業を仕事にしていることが指摘出来る。

従来気候変動対策の手段は二つ――緩和と適応――に分けられてきた。緩和は温室効果ガスの排出を減らすことであり、適応は起こってしまうリスクの影響を減らすことである。しかし近年「損失と損害(loss and damage)」に対する注目が集まるようになってきた。「損失」とは「不可逆的な気候変動の負の影響」を指し、「損害」とは「修復可能な負の影響」を指す。

「損失と被害」については、COP19で「ワルシャワ国際メカニズム」が設置され、データ収集や知見の共有、関係機関の連携、COP22での見直しなどが合意された。今年のCOP22において、3年間の成果が報告されるだろう。注視していきたい。


【参考文献】
Stephane Hallegatte他(2016)"Shock Waves:managing the impacts of climate change on poverty" World Bank Group
古沢広祐・足立治朗・小野田真二編(2015)『ギガトン・ギャップ―― 気候変動と国際交渉』オルタナグリーン選書

Shock Waves: Managing the Impacts of Climate Change on Poverty (Climate Change and Development)

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  • 作者: Stephane Hallegatte,Mook Bangalore,Laura Bonzanigo,Marianne Fay,Tamaro Kane,Ulf Narloch,Julie Rozenberg,David Treguer,Adrien Vogt-Schilb
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ギガトン・ギャップ――気候変動と国際交渉 (オルタナグリーン選書)

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