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エネルギーで一身独立

自由・自立・自律と、エネルギー問題を中心にサステナビリティに関する有益な情報を提供するための記事を書いています。

同盟の逆説

国際政治


普段はエネルギー問題の記事ばかり書いている。しかし学部で一番勉強していることは、国際政治や政治哲学である。今日は国際政治における重要なイシューである「同盟」について書いてみたい。そして日本の安全保障政策の要(全て?)である、日米同盟の構造についても説明を試みたい。

同盟を締結し維持するには膨大なコストがかかる。一般的に同盟には、二つのリスクがあると言われている。「見捨てられる恐怖」と「巻き込まれる恐怖」である。前者は例えば日中で紛争が起きた場合に、アメリカが日本を助けなければ、日本はアメリカに「見捨てられた」と言える。後者は日中で紛争が起きた場合、アメリカが中国との対立に直面するような場合を指す。いずれも同盟に伴う大きなリスクである。
このようなリスクがあるにも関わらず、同盟による軍事介入のコミットメントは必ずしも実現されないできた。このように膨大なコストと、目的が達成されないリスクがあるにも関わらず、国家は同盟を結んできた。この事実は解答を見いだすのが難しいアポリア(難問)と言える。
 このアポリアに対する解答として、同盟が拡大抑止を機能させるために必要な情報を伝達する有効なメカニズムであるということが挙げられる。同盟国間(例えば日米間)に共通の利益があり、また合同軍事演習などによって「力の集積」が行われている場合、同盟国双方への挑戦国の戦争コストが高くなり、挑戦を思いとどまる「抑止」がはたらくと想定出来る。このような抑止がはたらくためには、同盟国が軍事的に挑戦された場合、軍事介入する(例えば日本が中国に挑戦された場合、アメリカが軍事介入する場合が想定出来る)というコミットメントの信憑性が確立されている必要がある。中国の政策決定者が、「日本と紛争になったらアメリカが介入してくるので、日本の攻撃を思いとどまろう」という判断を下した時、抑止がはたらいていると言えるのである。同盟は抑止をはたらかせるためにある。挑戦国を抑止するためには、信憑性のある軍事介入のコミットメントと、ブラフを区別して発信する必要がある。膨大なコストがかかる同盟を敢えて結び維持することによって、同盟国が軍事的に挑戦された場合に軍事介入するというコミットメントを、潜在的な挑戦国に信じさせることが出来るのである。ここでは「膨大なコストがかかるにも関わらず、目的達成が不確実な同盟を結ぶ」というアポリアの解は、実は膨大なコストそのものにあるという逆説が指摘出来る。
 この文脈から言えば、沖縄の女性が亡くなる、少女が暴行を受ける、きれいな海が埋め立てられるなどの日米同盟の維持に伴う膨大なコストは、日米同盟を堅持するという日本政府の強い意志を示すものである。このことが日本政府の日米同盟へのコミットメントの信憑性を高めている。一方アメリカ政府も日本、とりわけ沖縄に基地を置くことによって、日本が戦う戦争に「巻き込まれる」リスクを負っている。この戦争コストが、翻ってアメリカ政府の日米同盟への軍事介入コミットメントの信憑性を高める効果を持っているのである。


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