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エネルギーで一身独立

自由・自立・自律と、エネルギー問題を中心にサステナビリティに関する有益な情報を提供するための記事を書いています。

【書評】『今こそ、風力』

書評 風力発電 日本の包括的なエネルギー政策 電力システム


9/6に紹介した「日本の知らない風力発電の実力」と並んで、この本も日本における風力発電の潜在性を主張するものである。

現状の電源に占める風力発電のシェアは、EUが5.5%, アメリカと中国が2%, 日本は0.4%と後塵を拝している。
日本で風力発電が普及していない要因は、台風や送電網不足などよりも政策が欠けていたことによると著者は言う。

風力発電は外国では、既にグリッド・パリティ(再生可能エネルギィのコストが既存の電源のコストと同等かそれ以下になること)に達しつつある。火力・原子力発電と比較した際のコストが変わらなくなってきているのである。
「風任せ」という間欠性の問題も、広域融通によるノウハウが欧州では蓄積されてきているという。停電が起きる心配も皆無に近い。

もう一つ注目すべき点は、日本の雇用創出に貢献する潜在性がある点だ。風力発電の部品点数は、1~2万点と言われ、ガソリン車の3万点には及ばないものの、裾野の広い産業であることは間違いない。

また「ベルシオン式風車」という日本で開発されている従来の常識を覆す形をした風車が、本書では紹介されている。その利点の一つに従来の風車と異なり、小型で風速が弱くても発電できる点が素晴らしいと感じた。
このタイプの風車は資本力の弱い市民発電事業に適している。日本のご当地電力運動に貢献できるのではないか。

以前会った福島県の職員は「日本の尾根すべてに風車を建てる」くらいの勢いで導入が進むのが理想、と言っていた。
日本における風力発電はこれまでいくつかある再生可能エネルギィのうちの一つと過小評価されてきた。しかしそろそろその考えを改めて大量導入・産業育成・雇用創出に向けて舵を切る時ではないだろうか。

今こそ、風力 (エネルギーフォーラム新書)

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