一身独立

自由・自立・自律と、エネルギー問題を中心にサステナビリティに関する有益な情報を提供するための記事を書いています。

【書評】『キロワットアワー・イズ・マネー』


この本は都市化・高齢化の進展に従って衰退する日本のほとんどの地方自治体とその住民に向けて書かれた本だ。

著者は市民出資をてこにした地域の「エネルギィ自立」が進むドイツ在住のジャーナリスト。

著者が提唱する地域課題の解決策は、地域外に流出し地域内の雇用や経済活性化につながらないエネルギー支出を減らすことだ。例えばマイカーを減らし、域内の移動手段をタクシィと公共交通機関に切り替えれば、移動に関して消費されたお金は地元に還流する。マイカーの場合、ガソリン代は域外・外国に流れてしまうので、地元の経済の活性化に貢献しない。
このように本書ではこうした地域住民が使ったお金が他の地域住民に渡ることを重視する。この発想は日本経済新聞に掲載された私のエッセイのアイディアとも親和性の高いものだ。

flatenergy.hatenablog.com

本書ではリフォームによる省エネを奨励している。リフォームによって家や建物の燃費性能を上げることによって、エネルギィのランニング・コストを減らし、域外へのエネルギィ支出を減らすことができるためだ。ドイツでは、建物の燃費を向上させ家の資産を価値を保つリフォームへの補助金が充実しており、新築の家が30年で無価値になる日本とは全く異なる状況となっているそうだ。
本書を読んで最も驚いた事実が、日本には建物の燃費基準がないことだ。これではどの家や建物が、エネルギィのランニング・コストを抑えられるのか判別することができない。

地域・日本のエネルギィ自立を達成するためには二つの方法しかない。エネルギィ消費を減らすか、域内でつくられるエネルギィを増やすかだ。
本書は2050年までに5割省エネの目標を掲げたうえで、その手段として2割は建物、2割は火力・原子力の代替、1割は内燃機関自動車の代替を挙げている。
この目標が実現できるという意味では、勇気づけられる本だ。


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