一身独立

多動性を発揮し、「21世紀の百姓」を目指す27歳元エリートのブログ。

【書評】『欧州のエネルギー自立地域』


本書では欧州各国の自治体によるエネルギー自立への取り組みが豊富に紹介されている。


「エネルギー自立」とは、ある地域内でのエネルギー需要を地域外のエネルギー源に頼らずに地域内でのエネルギー供給で賄うことである。これを達成するには方法は二つしかない。地域内のエネルギー需要を減らすか、地域内のエネルギー供給を増やすか、の二択である。

エネルギー自立地域の取り組みは電力供給から熱利用へ、地方から都市へ移るにつれて難易度が上がっていく。本書で紹介されている地域も、まずは地方の村が電力供給を100%自立させ、そこから都市部や熱利用の分野に波及させていこうと試みている。私の世話になっている人が運営している東京都多摩市の企業も、現在従来のビジネスモデルからの方向転換を迫られている。都市でエネルギー自立を行うのは、極めて難易度が高い。

EUやNPOによる国家横断的な取り組みも併せて紹介されていた。これらの情報は他の文献ではなかなか知ることができないので、大変参考になった。

本書は「地域外からエネルギーを買うために国から補助金をもらうのではなく、地域産のエネルギーを地域住民が消費し、お金とエネルギーの地域内循環を実現する」ことが、過疎化や少子高齢化といった地域の問題解決に役立つという私の確信を強めてくれた。

加えて本書で強調されていたのは、欧州で地域暖房が普及していることだ。自治体や地場の企業が所有する配管を通じて、熱供給がなされる。この仕組みは熱利用におけるエネルギー自立の度合いを上げるのに大変便利で、広く普及している。日本では自動車で輸送するプロパンガスや灯油が主流で、自治体や地場の企業の奮起が望まれる。
東北は本書で紹介されている地域に似て、暖房にかかるエネルギー消費の度合いが高い。本書を読了後は、東北における地域暖房のポテンシャルに想いを馳せた。

100%再生可能へ! 欧州のエネルギー自立地域

100%再生可能へ! 欧州のエネルギー自立地域

  • 作者: 滝川 薫,村上 敦,池田 憲昭,田代 かおる,近江 まどか
  • 出版社/メーカー: 学芸出版社
  • 発売日: 2012/03/10
  • メディア: 単行本
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