読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

エネルギーで一身独立

自由・自立・自律と、エネルギー問題を中心にサステナビリティに関する有益な情報を提供するための記事を書いています。

【書評】『文明崩壊』

本書を貫く問いは「ひとたび栄華をきわめた社会が、どうやって崩壊の憂き目を見るに至ったのか?」だ。本書の大半のページはある社会がどのようにして崩壊し、どのようにして崩壊しなかったのかを説明することに割かれている。

「技術楽観説」への警鐘

著者は「環境問題の重要性から目をそむけるために持ちださられる定説」の内の一つとして
「科学技術が問題を解決してくれる」と語る人々を挙げる。

私がいる再生可能エネルギー業界にも、そのような見解を表明する人は少なくない。

しかし、実際はある科学技術がある社会問題を解決したとしても、その科学技術が新たな社会問題を引き起こす。
例えば原子力発電に事故コストや廃炉、バックエンドの問題があるからといって、太陽光パネルなどの分散型電源に期待しても、大量に導入すれば「予測もつかない新しい問題」を生み出す。
それこそが経験的に導き出せる科学技術の宿痾だ。一つの例外もなく、あらゆる科学技術が逃れることができない。

市民の意志が大企業を動かす

著者は大企業による環境破壊を防ぐことの最終的な責任は一般市民にあると主張する。
その理由は「一般市民が企業に違う行動を期待し、要求したとき、自分たちの望む行動を採った企業に報奨を与え、望まない行動を採る企業に苦渋を飲ませたとき、企業は変わった」ためだという。

私はこの結論には賛成できない。市民一人一人の意思に任せるという結論は、社会問題への提言としては失格だ。せめてどのような制度や枠組みなら、市民が大企業の行動を変えることができるのかという提案を示すべきだろう。

文明崩壊 上: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)

文明崩壊 上: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)


にほんブログ村 環境ブログ エネルギー・資源へ
にほんブログ村 ↑ブログ・ランキング参加中です。 クリックしていただけると嬉しいです。
社会・政治問題 ブログランキングへ サンプル・モニターの口コミ広告ならブロカン