少々前のことになるが、昨年6月に「川崎天然ガス火力発電所」を訪問した際のことについて書く。
http://www.kngg.co.jp/
「川崎天然ガス火力発電所」は天然ガスを用いた「コンバインドサイクル発電」である。
入り組んだ配管とキャットウォーク。巨大施設はそれだけでわくわくする。
タービン建屋。凄まじい轟音なので、壁で覆うのが必須なのだとか。
実用化されている高効率発電所
原子力発電所の大規模な再稼働が政治的に難しい状況を踏まえ、コストが安くエネルギー効率も高い化石燃料を用いた技術が求められている。加えて日本で投入されているエネルギーの2/3程度は利用できていない。最新の石炭火力発電所でも、その効率は40%程度だ。エネルギー効率の改善は3.11があってもなくても、急務だったのである。
そこで注目されているのがガス・コンバインドサイクル発電だ。コジェネレーション(熱電併給)技術の一つで、従来使われていなかった排熱によって生じた蒸気でタービンを回している。つまりガス・コンバインドサイクルを用いた火力発電所は、一つの施設でガスと蒸気で二度発電できる施設である。これによって、「川崎天然ガス発電株式会社」が所有する「川崎天然ガス火力発電所」は、最大57.6%の熱効率を実現しているという。
「新電力」のモデル
「川崎天然ガス火力発電所」は川崎市扇町に立地し、近隣の大口需要家が電力を買い取ることにより経営が成り立っている。そのため、東京電力から独立している。
その高効率と経営形態は東京都からも注目され、「川崎天然ガス発電株式会社」は猪瀬知事が進める天然ガスコンバインドサイクル発電による「新電力」のモデルとなっている。「新電力」とは東京電力などの地域電力会社以外の電力事業のことを指す。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20120521/309690/
新電力を30%に高める「育成案」を国に提案
大人数でなくても見学できるので、関心のある方は友人を誘って行ってみてはいかがだろうか。私も友人二人と訪問した。
【参考】
http://www.inosenaoki.com/blog/2011/05/post-60d8.html
川崎天然ガス発電所(非東電)を見てきた。発電効率58%。地産地消を考える。
2014年6月8日追記
あまちゃんで一世を風靡した能年玲奈がCMで「川崎天然ガス火力発電所」を見学しているので、そちらの動画もぜひご覧になっていただきたい。
http://www.eneos-tv.jp/movie/kengaku_denki_60s
了