一身独立

多動性を発揮し、「21世紀の百姓」を目指す27歳元エリートのブログ。

【書評】『低炭素社会』


日本は「課題解決先進国」を目標とし「低炭素社会」実現をその柱とすべきだ、というのが著者の主張だ。その背景には地球温暖化こそが今を生きる人類の共通の「敵」であるという認識がある。そして、日本はこの「敵」との戦いをリードすべきであり十分にできると唱えている。そのために「エネルギー消費効率化」を徹底して行うことが目標達成に適うことと、実現のための具体的な方策が本書で詳細に述べられている。


本書の中で特に心を動かされた言葉を二つ挙げる。
一つ目は「課題解決先進国」という言葉だ。GDPという指標や所得格差という指標が落ち込んでいるとしても、別の指標でトップを目指せばいい。危機は機会に容易に反転し得る(「危機」と「機会」に同じ漢字が使われているように。または、「ピンチ」ヒッターが「チャンス」の場面に出てくるように)、そのような前向きな姿勢が感じられて快かった。

二つ目は「人類はもはやすべての知識を持っている」だ。著者は自身の経験から、他人が既に持っている知識をいかに見つけ活用するか、が既に重要になっていると考えている。それを著者は「知の構造化」と呼んでいる。


最後に現在のエネルギー政策を巡る議論についてコメントしたい。
筆者は以下に載せたインタビューでも

「日々の生活で効率を高めるということが、これからの世界のエネルギー価格高騰に対する日本の対策になる。それによって、世界をリードするんです。それが、グリーンイノベーションで日本が世界をリードする、ということの意味です」


と本書と同様の主張を述べている。
しかし、電力にばかり議論が集中している今の状況は危うい。熱利用やエネルギー消費効率化への視点が薄れがちだ。電力は日本全体のエネルギー消費の1/4程度*1にすぎない。エネルギー消費効率化のフロンティアは電力よりも熱利用に多く残されていることをより多くの人が認識することの重要さには、著者も賛同してくれるだろう。


【参考】
ダイヤモンド・オンライン「どうする! 日本のエネルギー」
第四回:著者へのインタビュー, 2012.8.17, 2013.3.17最終確認
http://diamond.jp/articles/-/23354



低炭素社会 (幻冬舎新書)

低炭素社会 (幻冬舎新書)

*1:http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2012energyhtml/img/200-1-3.gif

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