一身独立

多動性を発揮し、「21世紀の百姓」を目指す27歳元エリートのブログ。

【映画評】『シェーナウの想い』


「シェーナウの想い(Schönauer Gefühl)」は、ドイツの片田舎の住民がチェルノブイリ原子力発電所事故をきっかけに原子力フリーの電力供給のために奔走する過程を追ったドキュメンタリィだ。
一般市民が電力会社や州政府との交渉等の課題をクリアし地域電力会社を設立して原子力フリーの電力供給を達成する過程は、政治の原点が住民自治であることを改めて認識させてくれた。


あらすじ

シェーナウはドイツ南西部に位置する人口2,500人の山間の小さな町。その住民がチェルノブイリ原子力発電所事故の影響で避難してきた子どもを受け入れたことや、放射能に関する情報を住民に共有し始めたことをきっかけに原子力フリーの電力をシェーナウに供給する会社を設立を目指し始める。住民は課題を次々とクリアし1997年に電力供給を開始する。チェルノブイリ原子力発電所事故からおよそ10年目の結実だった。


目標に向けて着実に物事を進められる住民たち

鑑賞後の第一印象はとにかく住民グループの主要メンバーが着実に踏むべき手続きを踏んでいることだ。既存の仕組みやルールを変えるには然るべき理由を提示し利害関係者を納得させる必要がある。彼らにはそれができていた。住民グループのメンバーが、州の産業省の官僚との議論の際に即座に舌鋒鋭く反論することも、住民投票の際に物腰柔らかく支持集めのための主張説明もできる。恐れ入った。


「行政がなんとかしてくれる」は頼りない

特に考えさせられたのは、市民と呼ばれるに値する思想と行動についてだ。市民は無条件に誰でも市民として権利を主張できるわけではない。思想と行動が伴い市民権を行使した市民こそが、よりよい社会への方向付けにより深く関与できる。「行政がなんとかしてくれる」という思考は、やはり頼りないのだ。
映画の中で住民投票に賛成を呼び掛ける手作りクッキーが出てきた。そのような「ハンドメイドの(手作りの)政治」にもっと着目しないといけないと感じた。シェーナウ住民が示した市民の素朴な着想を市民が行動して実現する政治の姿に「ハンドメイドの政治」という呼称はふさわしいのではないだろうか。

シェーナウのようにありふれた片田舎の住民によって住民同士で協働し街の外の市民を上手に巻き込んで町の問題を改善するコツが、この映画には詰まっている。


こんな方にオススメ

地方自治を始めとする政治について。再生可能エネルギーを用いた地域におけるエネルギー自立について。そして自分たちの運動を広めることについて関心のある方にオススメだ。
DVDは一般発売されておらず、希望する団体による上映会が各地で行われている。
自分たちで上映会を開くことも可能だ。以下を参照。


自然エネルギー社会を目指すネットワーク」
http://www.geocities.jp/naturalenergysociety/

Facebookページ シェーナウの想い上映ネットワーク」
https://www.facebook.com/pages/%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%81%AE%E6%83%B3%E3%81%84%E4%B8%8A%E6%98%A0%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF/323903210995299


予告動画はこちらから。

アマゾンのリンクは、シェーナウの取り組みを取り上げた書籍。こちらも関心があればぜひ手にとって欲しい。


市民がつくった電力会社: ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命

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