一身独立

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【書評】『「発電貯金」生活のススメ』

 
 
これまで国家や世界規模での太陽光発電の情勢ばかり追いかけてきたと感じたので、より一般人の視点で書かれた本を探していたところ手にとってみた本である。
筆者は静岡市を拠点に太陽光発電パネルの施工業者を営んでいる。
太陽光発電のメリットを感じつつも手を出せないでいる人々に向けたこの本は、太陽光発電システムを導入する上で課題や抑えておくべき点を網羅している。
潜在的な太陽光発電システム導入希望者に行動を促すことに徹するこだわりが随所に感じられる本に仕上がっている。
 
筆者によれば自分の家庭に太陽光発電を導入した人には三つのタイプがある、とのこと。
一つ目は「環境系」で、主に太陽光発電普及初期に経済メリットを度外視して太陽光発電システムを導入した人。
二つ目は「科学系」で、太陽光から電気ができるという仕組みに関心を持ち、日常生活に取り入れたいと考える人。
三つ目は「経済メリット系」で、上記の二タイプと異なり長期的に収支がプラスになることを重視する人。
 
初期は環境意識や好奇心から導入に踏み切る一つ目や二つ目のタイプが多かったが、2009年以降補助金などの制度が充実し、三つ目のタイプが増えてきたという。
「経済メリット系」は、太陽光発電システムを投資対象として他の金融商品などと同列に見ていると想定できる。
そういった理由で太陽光発電システムを導入する人が増えているのが最近の傾向と言える。
 
筆者は太陽光発電システムを新たに導入する当たって特に留意すべき点として、「施工業者と相談を積み重ねながら一緒につくる」ことを挙げている。
筆者によれば、業者から十分な説明がないまま契約して太陽光発電システムを導入したものの、システムのことがよくわからず投資が無駄にならないか不安を抱えている人が少なくないそうだ。
このような事態に陥らないようにするには、導入前に施工業者と綿密に相談する必要があるとのこと。また家庭によって屋根や日当りなどの条件が異なるため、太陽光発電システムは単一の規格によるものではなくオーダーメイドにならざるをえないことも施工業者との関係が重要な理由だそうだ。そのための留意点も本書の中で具体的に言及されている。
 
こういった解説な中でも特に印象深かったのは、太陽光発電による売電収入のためだけの銀行口座をつくるというアイディアだ。太陽光発電システムの成果を目に見える形で把握するためで、このようにすると家計を預かる奥さんに太陽光発電システムが受け入れられやすいのだと言う。家庭内の関係を円満にすることまで念頭に置いた記述がなんとも心憎い。
 
出版が2010年1月であるため2012年に施行された「固定価格買い取り制度」などの最新情報には対応していない。また、原子力発電所の夜間発電を主に充当していると言われる「オール電化」のメリットを強調する記述は、現在では成り立たない。
留意すべき点はあるものの、太陽光発電システムを家庭に導入する際の手引きとして本書は有効に活用できる。
 
 
 
 

「発電貯金」生活のススメ

「発電貯金」生活のススメ

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