一身独立

多動性を発揮し、「21世紀の百姓」を目指す27歳元エリートのブログ。

書評

【書評】『再生可能エネルギーの真実』

本書の有用性は、他の書籍ではあまり取り上げられない洋上風力発電や波力発電、潮流発電に紙幅を割いている点である。全く知らなかったことも多く、大変参考になった。著者の主張はエネルギー全体の中での再生可能エネルギーと再生可能エネルギー内でのポー…

【書評】『欧州のエネルギー自立地域』

本書では欧州各国の自治体によるエネルギー自立への取り組みが豊富に紹介されている。 「エネルギー自立」とは、ある地域内でのエネルギー需要を地域外のエネルギー源に頼らずに地域内でのエネルギー供給で賄うことである。これを達成するには方法は二つしか…

【書評】『事業構想』3月号「地域エネルギー会社設立」

この特集を読んで改めて感じたのは、分散型再生可能エネルギー開発における既存の産業の担い手との連携の重要性だ。例えば群馬県でソーラー・シェアリングに取り組む「ファームドゥ」は、耕作放棄地となっている農家の収入向上に貢献する事業を展開し、農業…

【書評】『再生可能エネルギーの社会化――社会的受容性から問いなおす』

今日紹介するのは昨年12月に出版されたばかりの本だ。再生可能エネルギーには地球温暖化への対応や国産エネルギーの開発という期待や、地域の未利用資源の活用という期待が寄せられている。本書はそんな再生可能エネルギーを普及させていくことが現実的な選…

【書評】『世界を動かす石油戦略』〜一流のエネルギー・アナリストから学ぶ3つの基礎知識〜

この本は5年前に初めて読んで、エネルギー問題のダイナミクスと面白みを教えてくれた思い出深い本だ。 またエネルギー問題に興味を持ったものなら抱くであろう、以下の3つの疑問に明確に答えてくれる本でもある。 1. なぜ石油が重要なのか。 石油は常温常圧…

【書評】『「反原発」の不都合な真実』

著者は本書の第1章で、エネルギー源ごとの死亡リスクの定量的な測定を試みた文献を紹介しながら、原発のリスクの低さを主張している。 定量的な研究だけに説得力があるので、日本のエネルギー政策に関心がある人には一読を薦めたい本だ。 経済と命はトレード…

【連携書評まとめ】再生可能エネルギー信者に読んでほしい『エネルギーの不都合な真実』

本書の最後に著者がエネルギー問題にまつわる数々の「神話」に惑われないための方法を挙げているので、少々長くなるが引用したい。 「第1に、将来採用される新しいエネルギー源について、あるいはエネルギー変換技術について、そのペースやタイミングや規模…

【連載書評】『エネルギーの不都合な真実』第8章

第8章のタイトルは「エネルギー移行のペース」この章も流れは同じだ。急速なエネルギー・シフトを掲げる論者を定量的なアプローチで批判し、切って捨てている。 そしてエネルギー移行に共通する点を指摘している。 ゆっくり進む理由 「すべてのエネルギー移…

【連載書評】『エネルギーの不都合な真実』第7章

第7章のタイトルは「風力発電」西洋では太陽光発電以上に再生可能エネルギーのエースとして期待されている風力発電。 そのような言説にも著者は定量的なアプローチで批判を加えている。 「風力の利用で何よりも明白な物理的制約は、風力発電の好適地には、巨…

【連載書評】『エネルギーの不都合な真実』第6章

第5章はあまり日本人になじみのないものだったので省略。 第6章のタイトルは「植物由来液体燃料」 いわゆるバイオ燃料はエネルギー密度がガソリンの2/3しかなく(つまり同じ距離を移動させるのにガソリンの1.5倍の量が必要)、食糧との生産競合もあるため、…

【連載書評】『エネルギーの不都合な真実』第4章

第4章のタイトルは「枯渇――ピークオイルとその意味」かねがね考えていたピークオイラーへの批判を見事に言い当てている。 「石油生産のピーク予想という考えの根本的な問題は、これが3つの単純な前提を拠り所にしていることだ。すなわち、回収可能な石油資源…

【連載書評】『エネルギーの不都合な真実』第2章

前の記事はこちら↓ 【連載書評】『エネルギーの不都合な真実』第1章 - サステナビリティの時代 第2章のタイトルは「原子力の電気は計れないほど安い」だ。この言葉は原子力発電導入当初の原子力発電に対する期待を端的に表している。 「成功した失敗」 著者…

【書評】『文明崩壊』

本書を貫く問いは「ひとたび栄華をきわめた社会が、どうやって崩壊の憂き目を見るに至ったのか?」だ。本書の大半のページはある社会がどのようにして崩壊し、どのようにして崩壊しなかったのかを説明することに割かれている。 「技術楽観説」への警鐘 著者…

【書評】『パワー・ハングリー』

本書の基本的な主張は「N2N(天然ガスから原子力へ)」という言葉で代表されるとおり、天然ガスと原子力の利用を次第に増やしていくべきというものだ。だが私がもっとも刮目させられたのは、その主張を述べているパートではなく「貧困層に化石燃料を」と題され…

【書評】『人間不平等起源論』

久々の書評。最近は「地球単位での経済的不平等」およびそこから引き起こされる「エネルギー貧困」に興味があるのでこの本を再読してみた。 国際経済・開発経済学の世界では、なぜ豊かになれる国となれない国があるのかについて諸説が戦わされてきた歴史があ…

【書評】『自然エネルギーQ&A』

本書は孫正義氏の肝いりで創られたシンクタンク「自然エネルギー財団」が、一般人向けにつくった再生可能エネルギーに対する疑問への回答をまとめた本だ。再生可能エネルギーについて短い時間で概要を知りたい方にオススメできる。 500円(税抜き)と安価な…

【書評】『精神論ぬきの電力入門』

本書は新書サイズで電力に関する様々な論点について淡々と著者の意見が述べられている。 以前雑誌の記事で発送電分離に懐疑的な見方をしていた著者の記事を読んだが、やはりそのような内容だった。著者の意見は極めて堅実で「電力全面自由化」や「再生可能エ…

【書評】『コミュニティ発電所――原発なくてもいいかもよ?』

以前一読した本だが、現在私が関わっている事業に直接関わる本なので再読してみた。3.11の原発事故以後、地域に根ざした再生可能エネルギー事業の取り組みが注目されるようになった。本書はそのような地域での再生可能エネルギー事業に取り組む上での心構え…

【ノート】エネルギー問題初心者向けのオススメ3選

試みに「エネルギー問題に関心ある。けれども何を調べどう行動してよいか分からない」という方へ向けた本紹介を行う。 以下の本たちがあなたがエネルギー問題に関する行動を起こすきっかけになるかもしれない。 最初の2冊は新書である。 ・『エネルギー論争…

【書評】『専門家の予測はサルにも劣る』

本書は各時代に専門家が唱え大衆が起こると信じていた予測たちが、いかに間違ったものであったか、なぜ間違ったのか、に迫った本である。 エネルギー問題に関心がある一般人の間で漠然と信じられている予測は何だろうか? 「原油はあと40年以内に枯渇する」…

【書評】『自然エネルギーの可能性と限界――風力・太陽光発電の実力と現実解』

風力発電と太陽光発電は、エネルギー源の頼りになるエースとなれるのか。 この疑問にとことん答えているのが本書である。 この本で取り上げられている再生可能エネルギーの選択肢は大きく分けて四つある。風力・太陽光・水力・地熱だ。 本書の中でポテンシャ…

【書評】『クーリエ・ジャポン2011年6月号』ほんとうの「原子力」の話

震災の記憶も生々しい三ヶ月後に、この特集を組めることには素直に感嘆した。冒頭のThe Economistの記事は、原発事故でより天然ガスの需要が高まりその供給能力も十分あるという妥当な見解だった。 37ページのニジェールのウラン採掘現場の汚染の記事は、改…

【書評】『クーリエ・ジャポン2011年7月号』危機の時代の「エネルギー新常識」

池上彰を解説に迎えた特集。 池上は再生可能エネルギーの中で、地熱発電に着目している上に地熱発電普及の障害もきちんと説明していて日本の状況をよく理解していると思った。 一読した印象としてターゲットを絞りきれていないと感じた。 ブラジルの新規石油…

【書評】『エネルギー環境史(Ⅰ〜Ⅲ)』

この本を読むことで、エネルギーを通して歴史を見通す視点を養うことができる。 著者が三冊に分けて人類のエネルギーの利用の変遷を丹念に描写しており、人類が使ってきたエネルギー(火・人力・家畜・水力・風力・森林・蒸気・石炭・電気・石油・ガス・原子…

【書評】『自治体のエネルギー戦略――アメリカと東京』

気候変動対策の主体と言えば、まず国家を想起される方が多いだろう。本書は地方自治体の気候変動対策実現の過程をまとめた本である。 特に後半の東京編は、筆者が東京都職員ということもあってルポルタージュのようだった。政策実現に必要な力を四つ挙げ、他…

【書評】『TOKYO 0円ハウス0円生活』

著者は大学在学時から路上生活者の家に魅せられ調査を行なってきたという。著者が調査している都会の「ホームレス」の「家」は、とても機能的だ。 狭い場所ごとに生活の場としての役割が狭い空間の各所に与えられている。 そこには「狭苦しい」家と「陰気な…

【書評】『マグマ』

本書は3.11以前の2006年に地熱発電を取り上げた経済小説であり限りなく現実感がある。 著者は、外国資本ファンドによる日本企業への敵対的買収を描いた「ハゲタカ」や日本の支援による中国での原子力発電所開発を描いた「ベイジン」などの著書がある。ビジネ…

【書評】『私たちはこうして「原発大国」を選んだ』

題名の「原発大国」という言葉が痛い。確かに人口単位で考慮すれば、アメリカを抜きフランスと並んで発電所の数では日本は一位を争う。 この本は示しているのは日本が今日の姿になるまでに存在した原子力を巡る風景だ。各章は「○○年論」という形でまとめられ…

【書評】『エネルギー論争の盲点――天然ガスと分散化が日本を救う』

本書は3.11後のエネルギー論争の陥穽(落とし穴)をあぶりだしていくこと、そして今後の日本のエネルギー安全保障の最適解を模索していくことを目的とした、エネルギー問題の専門家による啓蒙書だ。 筆者の一貫している点は、二つある。エネルギー問題への文明…

【書評】『低炭素社会』

日本は「課題解決先進国」を目標とし「低炭素社会」実現をその柱とすべきだ、というのが著者の主張だ。その背景には地球温暖化こそが今を生きる人類の共通の「敵」であるという認識がある。そして、日本はこの「敵」との戦いをリードすべきであり十分にでき…

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