一身独立

多動性を発揮し、「21世紀の百姓」を目指す27歳元エリートのブログ。

書評

【書評】『大卒だって無職になる』

本書の焦点は、大学在学中および大卒の学歴を持つ若者の事例である。現状新卒枠では就職出来そうにないので、身につまされる思いで読み進めていった。筆者は、若者が自立して働き続けられるよう支援するNPO「育て上げネット」の理事長である。彼のNPOで支援…

【書評】『世界を無視しない大人になるために』

最近参画した国際協力団体「コンフロントワールド」の代表の原の初めての著書。 700円と手ごろな値段で、一から国際協力を行う組織を立ち上げた大学生の経験と覚悟が理解出来る。彼が国際協力の世界に踏み込んだきっかけは、大学1年生の時に参加したフィリ…

【書評】環境ビジネス特別号「ポストFIT」

最近私が関心を持っている日本の太陽光発電市場の現況と展望を、解りやすくまとめてくれた雑誌だ。所感を以下に箇条書きにしていく。・当初のFIT(固定価格買い取り制度)が太陽光発電事業者の利益に配慮した期間が終わったことを踏まえ、入札制度への対応や…

【書評】「再生可能エネルギー政策の国際比較」

この本は、日本と世界の再生可能エネルギー政策を日本語で知るための、最新の専門書である。系統運用について詳しい京都大学の安田陽氏や、再生可能エネルギーの経済分析について詳しい山家公雄氏などが執筆に当たっている。欧米の政策の動向を見ていると、…

【書評】「再生可能エネルギーの政治経済学」

「原発のコスト」などの著書がある立命館大学の大島先生の著作だ。基本的に彼の立場は「原発は政府が言うように安い訳ではない」という結論である。様々な文献や海外の事例にあたりながら、日本政府の政策を批判していく手際は、読んでいて痛快だ。3.11前の…

【書評】「エコノミスト 電気代は税金となった(その2)」

今日も経済誌の書評を書いていきたい。 今日は託送料金について。 本当に適切? 原発賠償の国民負担 政府の委員会は、7.9兆円と試算されている賠償費用のうち、2.4兆円を託送料から回収する方向で議論を進めている。これはひどい話で、日本国内において原発…

【書評】「エコノミスト 電気代は税金となった(その1)」

経済誌で気になる特集が組まれていたので紹介したい。記事を読んでいくと、原発の本当のコストを研究している立命館大学の大島堅一氏、再生可能エネルギーの研究をしている高橋洋氏、欧州の電力システムに詳しい安田陽氏など、私でも知っている研究者が記事…

『夢で語るな 日本のエネルギー』を批判する(その1)。

2012年に出版された「夢で語るな 日本のエネルギー」という本を買ってみた。 これがなかなか「ひどい」内容なので、批判をしていきたい。 著者は作家の鈴木光司氏と、ウェッジなどにも寄稿している山本隆三氏だ。 一方的な批判 読んでみた感想としては、著者…

【書評】『ネクスト・マーケット』――BOP層とはどのような人々か。

最近「BOPビジネス」について調べたり、自分で事業が出来ないか模索している。 この記事ではBOPビジネスの基本的なところに触れたい。 BOPとは? BOPとは"Base of Pyramid"(ピラミッドの土台)の略で、収入が一定水準以下の人々を指す。その水準は機関によ…

【書評】「ぼくは愛を証明しようと思う」

この本はある意味で一番紹介したい本であり、ある意味で一番紹介したくない本でもある。恋愛小説の一種ではあるものの、他のそれとは一線を画した恋愛の手法である「恋愛工学」を詳細に紹介した本である。 「恋愛工学」とは、各種の学問の知見を踏まえ、恋愛…

【書評】『絶対貧困――世界リアル貧困学講義』

私は将来途上国の貧困問題に取り組みたいと考えている。この本はそんな思いを抱いている人が、貧困問題に取り組む覚悟を試す上でうってつけだ。なぜなら筆者の現場主義に基づいた綿密な取材が、貧困に直面している人々がどのように生きているか、またそこか…

【書評】『されど罪人は竜と踊る』

今日は私の好きな小説の書評を書きたい。 中学生の時から今まで、大好きな作品だ。 この作品のいまだ回収されていない伏線や、明かされていないエピソードは、なんとしても死ぬまでに読みたい。心からそう思える作品だ。この作品はいわゆるライトノベルの一…

【書評】『世界を巻き込む』

著者は「コペルニク」グループを率いる社会起業家である。途上国の貧困問題に取り組む予定の私にとって、コペルニクのビジネスモデルはとても魅力的である。「途上国の貧困層のニーズを把握している現地のNPOや協同組合」に「途上国の貧困層向けの製品をつく…

【書評】『異常気象と人類の選択』

筆者は気候変動(地球温暖化)のリスク分析の専門家である。この本の特筆すべき点は、気候変動懐疑論に丁寧に回答している点である。「人間が排出した温室効果ガスによって、『人為的に』地球温暖化が引き起こされている」という仮説は、数多の検証をくぐり…

「GEPR」に過去記事が掲載

このブログの過去記事である「電力改革」と言う本の書評が、エネルギー問題に関する論考が集まる「GEPR」に掲載された。http://www.gepr.org/ja/contents/20160606-04/投稿規程にある審査を通過して掲載に至ったようなので、嬉しい限りだ。 「GEPR」は参考に…

【書評】『ゼロ』

大阪近鉄バファローズの買収に名乗りを挙げるなど、ワイドショーをにぎわせたことのある起業家「ホリエモン」こと堀江隆文の著書だ。逮捕・出所後の堀江は、積極的な情報発信で自らのファンを増やしながら、宇宙ビジネスやメディア・ビジネスにまい進してい…

【小カリスマ】「旅人のジョー」が面白すぎる

先日紹介した「カリスマ論」という本で紹介されていた「旅人のジョー」が面白い。とてもはっちゃけている。職業は旅人で、youtubeでお金を稼ぐユーチューバーでもある。無一文からバーを開店したり、無一文でアメリカを横断したり、とにかくむちゃくちゃであ…

【書評】『カリスマ論』

著者は評論家で、「新世紀エヴェンゲリオン」で有名なアニメプロダクション「ガイナックス」の創業メンバー。本書はインターネットやSNSの普及によって、なれる可能性が増えた「カリスマ」についての本だ。まずはカリスマの定義について。カリスマとは著者に…

【書評】『「自分メディア」はこう作る!』

著者は「おちゃらけ社会派」有名ブロガー。「価値あるメディア」をつくりあげるための著者の試行錯誤がつづられている本だ。著者の目標は書き手として有名になることでも、ブログ・ビジネスを成功させることも目標ではない。オープンな「価値あるメディア」…

【書評】『希望の国のエクソダス』

久々に小説を読了した。小説を読むときの、読み終わりのキワにいつも寂寥感に襲われるのはなぜだろう? 物語が終わってほしくないという未練がましい感情の現れなのだろうか。 この小説に、私がかねてより主張している北海道移住(遷都)案が載っていて驚い…

【書評】『大転換――新しいエネルギー経済のかたち』

エネルギィ移行(energy transition)が数十年以内に進むかどうかは、大変意見の分かれるテーマだ。 シュミルなどは、過去の経験を踏まえてエネルギィ移行には数世代かかるという意見を唱えている。flatenergy.hatenablog.com本書の著者は逆で、気候変動対策…

【書評】『今こそ、風力』

9/6に紹介した「日本の知らない風力発電の実力」と並んで、この本も日本における風力発電の潜在性を主張するものである。現状の電源に占める風力発電のシェアは、EUが5.5%, アメリカと中国が2%, 日本は0.4%と後塵を拝している。 日本で風力発電が普及してい…

【書評】『日本の知らない風力発電の実力』

日本に風力発電はもっと導入できる。そう勇気づけられる本だった。 欧米の事例を参照しながら、風力開発の障害になっている誤解と神話について丁寧に論破している。分散型再生可能エネルギィの中で、日本国内での風力発電の扱いはone of themであったと言え…

【書評】『誤解だらけの電力問題』

この本は東京電力で働いていた著者が、電力業界の内と外の両方の目線から電力問題を俯瞰した本である。 補論として一番最後に書かれていた電力会社・電力業界の体質論が一番興味深かった。原発再稼働を必要だと言って目指す電力会社は一般の人から「懲りてい…

【書評】『キロワットアワー・イズ・マネー』

この本は都市化・高齢化の進展に従って衰退する日本のほとんどの地方自治体とその住民に向けて書かれた本だ。著者は市民出資をてこにした地域の「エネルギィ自立」が進むドイツ在住のジャーナリスト。著者が提唱する地域課題の解決策は、地域外に流出し地域…

【書評】『マーケット感覚を身につけよう』

今日は以前からブログやツイッターを拝見し、考えに共感するところも多かった「ちきりん」氏の本を読んだので、紹介したい。 市場化の時代 本書によれば「マーケット感覚」とは「売れるものに気がつく」能力であり、「価値を認識する」能力であると定義され…

【書評】『脱原発を決めたドイツの挑戦』

ドイツ政府は3つの明確の将来目標を表明している。それらは以下の3つだ。 1)二酸化炭素の排出量を、2050年までに80%減らす。 2)電力に占める再生可能エネルギーの比率を、2050年までに80%にする。 3)原子力発電所を2022年にすべて閉鎖する。 いずれも極め…

【書評】『世界がわかる石油戦略』

この本の評価はあまり高くない。 専門家が世界の石油情勢について分析を披露するという点では、日経文庫の「石油を読む」などの方が理論への言及にページが割かれていてより有用だと感じた。【書評】『石油を読む』 - サステナビリティの時代flatenergy.hate…

【書評】『石油を読む』

この本の素晴らしい点は「国際石油市場の実態とは?」という疑問に答えている点にある。ほとんど知られていない事実についても、多く述べられているのでその一部を紹介したい。 1)OECD諸国は全世界の石油の生産量の3割を占める。この割合は中東諸国とほぼ同…

【書評】『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました』

ユーグレナという会社が何を目指しているかは、既にまとめているので別記事を参照して欲しい。flatenergy.hatenablog.comこの本を読んで感じたことの一つにエネルギー・リテラシーの問題がある。エネルギー技術に関わるリテラシーにおいて、欠かせない要素の…

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