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エネルギーで一身独立

自由・自立・自律と、エネルギー問題を中心にサステナビリティに関する有益な情報を提供するための記事を書いています。

書評

【書評】環境ビジネス特別号「ポストFIT」

最近私が関心を持っている日本の太陽光発電市場の現況と展望を、解りやすくまとめてくれた雑誌だ。所感を以下に箇条書きにしていく。・当初のFIT(固定価格買い取り制度)が太陽光発電事業者の利益に配慮した期間が終わったことを踏まえ、入札制度への対応や…

【書評】「再生可能エネルギー政策の国際比較」

この本は、日本と世界の再生可能エネルギー政策を日本語で知るための、最新の専門書である。系統運用について詳しい京都大学の安田陽氏や、再生可能エネルギーの経済分析について詳しい山家公雄氏などが執筆に当たっている。欧米の政策の動向を見ていると、…

【書評】「再生可能エネルギーの政治経済学」

「原発のコスト」などの著書がある立命館大学の大島先生の著作だ。基本的に彼の立場は「原発は政府が言うように安い訳ではない」という結論である。様々な文献や海外の事例にあたりながら、日本政府の政策を批判していく手際は、読んでいて痛快だ。3.11前の…

【書評】「エコノミスト 電気代は税金となった(その2)」

今日も経済誌の書評を書いていきたい。 今日は託送料金について。 本当に適切? 原発賠償の国民負担 政府の委員会は、7.9兆円と試算されている賠償費用のうち、2.4兆円を託送料から回収する方向で議論を進めている。これはひどい話で、日本国内において原発…

【書評】「エコノミスト 電気代は税金となった(その1)」

経済誌で気になる特集が組まれていたので紹介したい。記事を読んでいくと、原発の本当のコストを研究している立命館大学の大島堅一氏、再生可能エネルギーの研究をしている高橋洋氏、欧州の電力システムに詳しい安田陽氏など、私でも知っている研究者が記事…

【書評】『ネクスト・マーケット』――BOP層とはどのような人々か。

最近「BOPビジネス」について調べたり、自分で事業が出来ないか模索している。 この記事ではBOPビジネスの基本的なところに触れたい。 BOPとは? BOPとは"Base of Pyramid"(ピラミッドの土台)の略で、収入が一定水準以下の人々を指す。その水準は機関によ…

【書評】「ぼくは愛を証明しようと思う」

この本はある意味で一番紹介したい本であり、ある意味で一番紹介したくない本でもある。恋愛小説の一種ではあるものの、他のそれとは一線を画した恋愛の手法である「恋愛工学」を詳細に紹介した本である。 「恋愛工学」とは、各種の学問の知見を踏まえ、恋愛…

【書評】『絶対貧困――世界リアル貧困学講義』

私は将来途上国の貧困問題に取り組みたいと考えている。この本はそんな思いを抱いている人が、貧困問題に取り組む覚悟を試す上でうってつけだ。なぜなら筆者の現場主義に基づいた綿密な取材が、貧困に直面している人々がどのように生きているか、またそこか…

【書評】『されど罪人は竜と踊る』

今日は私の好きな小説の書評を書きたい。 中学生の時から今まで、大好きな作品だ。 この作品のいまだ回収されていない伏線や、明かされていないエピソードは、なんとしても死ぬまでに読みたい。心からそう思える作品だ。この作品はいわゆるライトノベルの一…

【書評】『世界を巻き込む』

著者は「コペルニク」グループを率いる社会起業家である。途上国の貧困問題に取り組む予定の私にとって、コペルニクのビジネスモデルはとても魅力的である。「途上国の貧困層のニーズを把握している現地のNPOや協同組合」に「途上国の貧困層向けの製品をつく…

【書評】『異常気象と人類の選択』

筆者は気候変動(地球温暖化)のリスク分析の専門家である。この本の特筆すべき点は、気候変動懐疑論に丁寧に回答している点である。「人間が排出した温室効果ガスによって、『人為的に』地球温暖化が引き起こされている」という仮説は、数多の検証をくぐり…

「GEPR」に過去記事が掲載

このブログの過去記事である「電力改革」と言う本の書評が、エネルギー問題に関する論考が集まる「GEPR」に掲載された。http://www.gepr.org/ja/contents/20160606-04/投稿規程にある審査を通過して掲載に至ったようなので、嬉しい限りだ。 「GEPR」は参考に…

【書評】『ゼロ』

大阪近鉄バファローズの買収に名乗りを挙げるなど、ワイドショーをにぎわせたことのある起業家「ホリエモン」こと堀江隆文の著書だ。逮捕・出所後の堀江は、積極的な情報発信で自らのファンを増やしながら、宇宙ビジネスやメディア・ビジネスにまい進してい…

【小カリスマ】「旅人のジョー」が面白すぎる

先日紹介した「カリスマ論」という本で紹介されていた「旅人のジョー」が面白い。とてもはっちゃけている。職業は旅人で、youtubeでお金を稼ぐユーチューバーでもある。無一文からバーを開店したり、無一文でアメリカを横断したり、とにかくむちゃくちゃであ…

【書評】『カリスマ論』

著者は評論家で、「新世紀エヴェンゲリオン」で有名なアニメプロダクション「ガイナックス」の創業メンバー。本書はインターネットやSNSの普及によって、なれる可能性が増えた「カリスマ」についての本だ。まずはカリスマの定義について。カリスマとは著者に…

【書評】『「自分メディア」はこう作る!』

著者は「おちゃらけ社会派」有名ブロガー。「価値あるメディア」をつくりあげるための著者の試行錯誤がつづられている本だ。著者の目標は書き手として有名になることでも、ブログ・ビジネスを成功させることも目標ではない。オープンな「価値あるメディア」…

【書評】『希望の国のエクソダス』

久々に小説を読了した。小説を読むときの、読み終わりのキワにいつも寂寥感に襲われるのはなぜだろう? 物語が終わってほしくないという未練がましい感情の現れなのだろうか。 この小説に、私がかねてより主張している北海道移住(遷都)案が載っていて驚い…

【書評】『大転換――新しいエネルギー経済のかたち』

エネルギィ移行(energy transition)が数十年以内に進むかどうかは、大変意見の分かれるテーマだ。 シュミルなどは、過去の経験を踏まえてエネルギィ移行には数世代かかるという意見を唱えている。flatenergy.hatenablog.com本書の著者は逆で、気候変動対策…

【書評】『今こそ、風力』

9/6に紹介した「日本の知らない風力発電の実力」と並んで、この本も日本における風力発電の潜在性を主張するものである。現状の電源に占める風力発電のシェアは、EUが5.5%, アメリカと中国が2%, 日本は0.4%と後塵を拝している。 日本で風力発電が普及してい…

【書評】『日本の知らない風力発電の実力』

日本に風力発電はもっと導入できる。そう勇気づけられる本だった。 欧米の事例を参照しながら、風力開発の障害になっている誤解と神話について丁寧に論破している。分散型再生可能エネルギィの中で、日本国内での風力発電の扱いはone of themであったと言え…

【書評】『誤解だらけの電力問題』

この本は東京電力で働いていた著者が、電力業界の内と外の両方の目線から電力問題を俯瞰した本である。 補論として一番最後に書かれていた電力会社・電力業界の体質論が一番興味深かった。原発再稼働を必要だと言って目指す電力会社は一般の人から「懲りてい…

【書評】『キロワットアワー・イズ・マネー』

この本は都市化・高齢化の進展に従って衰退する日本のほとんどの地方自治体とその住民に向けて書かれた本だ。著者は市民出資をてこにした地域の「エネルギィ自立」が進むドイツ在住のジャーナリスト。著者が提唱する地域課題の解決策は、地域外に流出し地域…

【書評】『マーケット感覚を身につけよう』

今日は以前からブログやツイッターを拝見し、考えに共感するところも多かった「ちきりん」氏の本を読んだので、紹介したい。 市場化の時代 本書によれば「マーケット感覚」とは「売れるものに気がつく」能力であり、「価値を認識する」能力であると定義され…

【書評】『脱原発を決めたドイツの挑戦』

ドイツ政府は3つの明確の将来目標を表明している。それらは以下の3つだ。 1)二酸化炭素の排出量を、2050年までに80%減らす。 2)電力に占める再生可能エネルギーの比率を、2050年までに80%にする。 3)原子力発電所を2022年にすべて閉鎖する。 いずれも極め…

【書評】『世界がわかる石油戦略』

この本の評価はあまり高くない。 専門家が世界の石油情勢について分析を披露するという点では、日経文庫の「石油を読む」などの方が理論への言及にページが割かれていてより有用だと感じた。【書評】『石油を読む』 - サステナビリティの時代flatenergy.hate…

【書評】『石油を読む』

この本の素晴らしい点は「国際石油市場の実態とは?」という疑問に答えている点にある。ほとんど知られていない事実についても、多く述べられているのでその一部を紹介したい。 1)OECD諸国は全世界の石油の生産量の3割を占める。この割合は中東諸国とほぼ同…

【書評】『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました』

ユーグレナという会社が何を目指しているかは、既にまとめているので別記事を参照して欲しい。flatenergy.hatenablog.comこの本を読んで感じたことの一つにエネルギー・リテラシーの問題がある。エネルギー技術に関わるリテラシーにおいて、欠かせない要素の…

【書評】『再生可能エネルギーの真実』

本書の有用性は、他の書籍ではあまり取り上げられない洋上風力発電や波力発電、潮流発電に紙幅を割いている点である。全く知らなかったことも多く、大変参考になった。著者の主張はエネルギー全体の中での再生可能エネルギーと再生可能エネルギー内でのポー…

【書評】『欧州のエネルギー自立地域』

本書では欧州各国の自治体によるエネルギー自立への取り組みが豊富に紹介されている。 「エネルギー自立」とは、ある地域内でのエネルギー需要を地域外のエネルギー源に頼らずに地域内でのエネルギー供給で賄うことである。これを達成するには方法は二つしか…

【書評】『事業構想』3月号「地域エネルギー会社設立」

この特集を読んで改めて感じたのは、分散型再生可能エネルギー開発における既存の産業の担い手との連携の重要性だ。例えば群馬県でソーラー・シェアリングに取り組む「ファームドゥ」は、耕作放棄地となっている農家の収入向上に貢献する事業を展開し、農業…

【書評】『再生可能エネルギーの社会化――社会的受容性から問いなおす』

今日紹介するのは昨年12月に出版されたばかりの本だ。再生可能エネルギーには地球温暖化への対応や国産エネルギーの開発という期待や、地域の未利用資源の活用という期待が寄せられている。本書はそんな再生可能エネルギーを普及させていくことが現実的な選…

【書評】『世界を動かす石油戦略』〜一流のエネルギー・アナリストから学ぶ3つの基礎知識〜

この本は5年前に初めて読んで、エネルギー問題のダイナミクスと面白みを教えてくれた思い出深い本だ。 またエネルギー問題に興味を持ったものなら抱くであろう、以下の3つの疑問に明確に答えてくれる本でもある。 1. なぜ石油が重要なのか。 石油は常温常圧…

【書評】『「反原発」の不都合な真実』

著者は本書の第1章で、エネルギー源ごとの死亡リスクの定量的な測定を試みた文献を紹介しながら、原発のリスクの低さを主張している。 定量的な研究だけに説得力があるので、日本のエネルギー政策に関心がある人には一読を薦めたい本だ。 経済と命はトレード…

【連携書評まとめ】再生可能エネルギー信者に読んでほしい『エネルギーの不都合な真実』

本書の最後に著者がエネルギー問題にまつわる数々の「神話」に惑われないための方法を挙げているので、少々長くなるが引用したい。 「第1に、将来採用される新しいエネルギー源について、あるいはエネルギー変換技術について、そのペースやタイミングや規模…

【連載書評】『エネルギーの不都合な真実』第8章

第8章のタイトルは「エネルギー移行のペース」この章も流れは同じだ。急速なエネルギー・シフトを掲げる論者を定量的なアプローチで批判し、切って捨てている。 そしてエネルギー移行に共通する点を指摘している。 ゆっくり進む理由 「すべてのエネルギー移…

【連載書評】『エネルギーの不都合な真実』第7章

第7章のタイトルは「風力発電」西洋では太陽光発電以上に再生可能エネルギーのエースとして期待されている風力発電。 そのような言説にも著者は定量的なアプローチで批判を加えている。 「風力の利用で何よりも明白な物理的制約は、風力発電の好適地には、巨…

【連載書評】『エネルギーの不都合な真実』第6章

第5章はあまり日本人になじみのないものだったので省略。 第6章のタイトルは「植物由来液体燃料」 いわゆるバイオ燃料はエネルギー密度がガソリンの2/3しかなく(つまり同じ距離を移動させるのにガソリンの1.5倍の量が必要)、食糧との生産競合もあるため、…

【連載書評】『エネルギーの不都合な真実』第4章

第4章のタイトルは「枯渇――ピークオイルとその意味」かねがね考えていたピークオイラーへの批判を見事に言い当てている。 「石油生産のピーク予想という考えの根本的な問題は、これが3つの単純な前提を拠り所にしていることだ。すなわち、回収可能な石油資源…

【連載書評】『エネルギーの不都合な真実』第2章

前の記事はこちら↓ 【連載書評】『エネルギーの不都合な真実』第1章 - サステナビリティの時代 第2章のタイトルは「原子力の電気は計れないほど安い」だ。この言葉は原子力発電導入当初の原子力発電に対する期待を端的に表している。 「成功した失敗」 著者…

【書評】『文明崩壊』

本書を貫く問いは「ひとたび栄華をきわめた社会が、どうやって崩壊の憂き目を見るに至ったのか?」だ。本書の大半のページはある社会がどのようにして崩壊し、どのようにして崩壊しなかったのかを説明することに割かれている。 「技術楽観説」への警鐘 著者…

【書評】『パワー・ハングリー』

本書の基本的な主張は「N2N(天然ガスから原子力へ)」という言葉で代表されるとおり、天然ガスと原子力の利用を次第に増やしていくべきというものだ。だが私がもっとも刮目させられたのは、その主張を述べているパートではなく「貧困層に化石燃料を」と題され…

【書評】『人間不平等起源論』

久々の書評。最近は「地球単位での経済的不平等」およびそこから引き起こされる「エネルギー貧困」に興味があるのでこの本を再読してみた。 国際経済・開発経済学の世界では、なぜ豊かになれる国となれない国があるのかについて諸説が戦わされてきた歴史があ…

【書評】『自然エネルギーQ&A』

本書は孫正義氏の肝いりで創られたシンクタンク「自然エネルギー財団」が、一般人向けにつくった再生可能エネルギーに対する疑問への回答をまとめた本だ。再生可能エネルギーについて短い時間で概要を知りたい方にオススメできる。 500円(税抜き)と安価な…

【書評】『精神論ぬきの電力入門』

本書は新書サイズで電力に関する様々な論点について淡々と著者の意見が述べられている。 以前雑誌の記事で発送電分離に懐疑的な見方をしていた著者の記事を読んだが、やはりそのような内容だった。著者の意見は極めて堅実で「電力全面自由化」や「再生可能エ…

【書評】『コミュニティ発電所――原発なくてもいいかもよ?』

以前一読した本だが、現在私が関わっている事業に直接関わる本なので再読してみた。3.11の原発事故以後、地域に根ざした再生可能エネルギー事業の取り組みが注目されるようになった。本書はそのような地域での再生可能エネルギー事業に取り組む上での心構え…

【ノート】エネルギー問題初心者向けのオススメ3選

試みに「エネルギー問題に関心ある。けれども何を調べどう行動してよいか分からない」という方へ向けた本紹介を行う。 以下の本たちがあなたがエネルギー問題に関する行動を起こすきっかけになるかもしれない。 最初の2冊は新書である。 ・『エネルギー論争…

【書評】『専門家の予測はサルにも劣る』

本書は各時代に専門家が唱え大衆が起こると信じていた予測たちが、いかに間違ったものであったか、なぜ間違ったのか、に迫った本である。 エネルギー問題に関心がある一般人の間で漠然と信じられている予測は何だろうか? 「原油はあと40年以内に枯渇する」…

【書評】『自然エネルギーの可能性と限界――風力・太陽光発電の実力と現実解』

風力発電と太陽光発電は、エネルギー源の頼りになるエースとなれるのか。 この疑問にとことん答えているのが本書である。 この本で取り上げられている再生可能エネルギーの選択肢は大きく分けて四つある。風力・太陽光・水力・地熱だ。 本書の中でポテンシャ…

【書評】『クーリエ・ジャポン2011年6月号』ほんとうの「原子力」の話

震災の記憶も生々しい三ヶ月後に、この特集を組めることには素直に感嘆した。冒頭のThe Economistの記事は、原発事故でより天然ガスの需要が高まりその供給能力も十分あるという妥当な見解だった。 37ページのニジェールのウラン採掘現場の汚染の記事は、改…

【書評】『クーリエ・ジャポン2011年7月号』危機の時代の「エネルギー新常識」

池上彰を解説に迎えた特集。 池上は再生可能エネルギーの中で、地熱発電に着目している上に地熱発電普及の障害もきちんと説明していて日本の状況をよく理解していると思った。 一読した印象としてターゲットを絞りきれていないと感じた。 ブラジルの新規石油…

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