一身独立

自由・自立・自律と、エネルギー問題を中心にサステナビリティに関する有益な情報を提供するための記事を書いています。

原子力発電

【書評】「エコノミスト 電気代は税金となった(その2)」

今日も経済誌の書評を書いていきたい。 今日は託送料金について。 本当に適切? 原発賠償の国民負担 政府の委員会は、7.9兆円と試算されている賠償費用のうち、2.4兆円を託送料から回収する方向で議論を進めている。これはひどい話で、日本国内において原発…

【書評】「エコノミスト 電気代は税金となった(その1)」

経済誌で気になる特集が組まれていたので紹介したい。記事を読んでいくと、原発の本当のコストを研究している立命館大学の大島堅一氏、再生可能エネルギーの研究をしている高橋洋氏、欧州の電力システムに詳しい安田陽氏など、私でも知っている研究者が記事…

『夢で語るな 日本のエネルギー』を批判する(その2)。

今日も「夢で語るな 日本のエネルギー」の批判をしていきたい。 原子力事業への評価の前提 鈴木氏は「原発問題の根本は恐怖からきている(p69)」という。しかしこの本の出版から5年経ち、原発業界を悩ませているのは人々の恐怖心ではなく、原発は割に合わ…

銀行選びの新たな基準を提示する"My Bank, My Future"キャンペーン

読者諸兄は、どこの金融機関に口座を持っているだろうか。私が出入りしている気候変動対策NPOの"350.org"の日本支部が、キャンペーンのwebサイトを発表したので、紹介したい。http://mybankmyfuture.org/"My Bank, My future"キャンペーンは「口座を変えると…

悪い冗談? 汚染を福島に押し付ける石炭火力発電所計画が着々と進行中

福島で原発事故を起こした東京電力が、再び環境汚染を福島に押し付ける。 そんなプロジェクトが現在進行中なのをご存じだろうか。東京電力が4月に発表した以下の文書「福島復興に向けた取り組みについて」の4項目目には、「福島復興電源プロジェクト」を行…

エネルギー実務家との討論

先日エネルギー畑で仕事をしてきた方の話を聴く機会があった。彼は私と見解が異なるので、質疑応答でやりあった。 彼の見解では、「脱原発は時間がかかるし、ベースロード電源として、石炭火力発電が必要」とのことだった。私の見解は、「気候変動対策を考え…

日本のエネルギー政策をめぐる全国紙の報道の問題点

本記事では日本のエネルギー政策をめぐる日本の全国紙による国際報道の問題点について取り上げる。東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故以降、新聞のエネルギー政策への注目度も上がったように見受けられる。しかしそれらの報道の中には、当然含ま…

【ディスカッション・ペーパー】「原子力発電所をめぐる社会選択の問題点とその解決策」

(金子, 2007,pp234-235)において、登場人物の一人である「判事」は、社会制度を選択する手段として社会正義を捉えている。社会制度は価値中立化される必要があり、恣意的な価値観が反映されるものになってはならないと考えているのである。本記事では原子…

「GEPR」に過去記事が掲載

このブログの過去記事である「電力改革」と言う本の書評が、エネルギー問題に関する論考が集まる「GEPR」に掲載された。http://www.gepr.org/ja/contents/20160606-04/投稿規程にある審査を通過して掲載に至ったようなので、嬉しい限りだ。 「GEPR」は参考に…

【書評】『「原発」国民投票』

本書は地方自治体の住民投票や、欧州の国民投票の事例を参照しながら、日本でも原発を国民投票にかける原案を提示している。原発の運用を国民投票にかけるというアイディアは、日本人のほとんどが考えたことのない選択肢ではないか。それを問いかけただけで…

【気になるニュース】核のゴミ、見えぬ行き先

核のゴミ、見えぬ行き先 最終処分場、19道府県すでに拒否 朝日新聞調査http://www.asahi.com/articles/DA3S12179263.html 原子力発電をめぐる「バックエンド」問題について気になる記事があったので、取り上げたい。 バックエンド問題とは、使用済みの核燃…

「パワーシフト・キャンペーン」の紹介

今年の4月から小規模事業所や家庭向けの低圧の電力自由化が始まる。それに向けて「一般電気事業者(東京電力・関西電力など)」以外の様々な会社が、サービスを準備している。東京新聞が実施した世論調査によれば、首都圏住民の6割の人が東京電力からの切…

「金より命」は響かない――反原発派が提示すべき代替案を提案する

反原発派がいまだに主張している「金より命」が大事だから、原発を止めるべきという主張がある。実際先日訪れた国会議事堂前の反原発デモでも、主張している人がいた。彼らの主張に沿えば、原発稼働を主張する人は「作業員の被曝・被爆による被害や、事故時…

「脱原発テント」訪問と「首都圏反原発連合」デモ

国際政治を勉強する学生の一人として、SEALDsのデモが気になり21日の金曜日に見に行った。 その前に経産省前の「脱原発テント」を約2年ぶりに訪問した後、「首都圏反原発連合」の主催する国会前デモを見に行った。「脱原発テント」は写真のように経産省の敷…

【書評】『誤解だらけの電力問題』

この本は東京電力で働いていた著者が、電力業界の内と外の両方の目線から電力問題を俯瞰した本である。 補論として一番最後に書かれていた電力会社・電力業界の体質論が一番興味深かった。原発再稼働を必要だと言って目指す電力会社は一般の人から「懲りてい…

竹村真一の講演を聞いて

試験もあってだいぶ久々の更新になってしまった。脱石油・脱原発は経済合理的だと主張している竹村真一氏の講演を聴く機会があった。中国で既に原子力発電の年間発電量に風力発電の年間発電量が追いついた事例を証左にして、エネルギィ自立と気候変動対策を…

東京電力社員が言っていたこと、朝日新聞社員が言っていたこと

先週末の「福島復興再エネツアー」に参加した際に「やはりそう思っているのか」と思うことを彼らが言っていたので、共有したい。ツアーの1日目に東京電力社員のお話を聞く機会があった。その際の資料によれば。東日本大震災のような震源同士が連動して起こる…

「福島復興再エネツアー」2日目

6月27日から28日にかけて福島県主催の「福島復興再エネツアー」に参加してきた。 今日は2日目に訪問した場所についてレポートしたい。まず訪問したのは、いわき市と田村町にまたがる「滝根小白井ウィンドファーム」だ、 この風力発電所は、豊田通商と東京電…

「福島復興再エネツアー」1日目

6月27日から28日にかけて福島県主催の「福島復興再エネツアー」に参加してきた。 福島県は、2040年までにエネルギー需要を再エネで100%賄うという目標を掲げている。特に再生可能エネルギィに注力している県だ。その福島県で行われている取り組みを以下に紹…

【書評】『脱原発を決めたドイツの挑戦』

ドイツ政府は3つの明確の将来目標を表明している。それらは以下の3つだ。 1)二酸化炭素の排出量を、2050年までに80%減らす。 2)電力に占める再生可能エネルギーの比率を、2050年までに80%にする。 3)原子力発電所を2022年にすべて閉鎖する。 いずれも極め…

【映画評】原発計画を止めた名も無き市民たちのドキュメンタリィ映画「シロウオ」を観てきた。

以前名刺交換したカメライターのかさこさんが監督した映画の上映会が、近所で開かれたので観てきた。 原発立地自治体はリスクを一手に引き受けている被害者だというのが通説だ。しかしこの映画を見れば、今原発がない自治体にも、かつて数々の原発計画があっ…

【気になるニュース】産官学で原発廃炉の人材育成 東大・東電など協力

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ25HND_V21C14A1MM8000/ 11月26日日本経済新聞 ようやく着手するのか、という感想。 むしろ実施するのが遅すぎたくらいだ。これから途上国が持続的に経済成長していく上で、原子力発電は不可欠だと思う。そういった途…

【書評】『「反原発」の不都合な真実』

著者は本書の第1章で、エネルギー源ごとの死亡リスクの定量的な測定を試みた文献を紹介しながら、原発のリスクの低さを主張している。 定量的な研究だけに説得力があるので、日本のエネルギー政策に関心がある人には一読を薦めたい本だ。 経済と命はトレード…

【気になるニュース】原発反対派が批判すべきは「電源三法」

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11454328.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11454328 ソースは今日の朝日新聞「時時刻刻」より。 「新設原発(J-power大間原発)の完成と老朽原発(関西電力高浜原発)の延命」を模索する動きを伝えている。 こ…

【講演会のお知らせ】第380回望星講座

今日は講演会のお知らせ。 東海大学原子力工学科の教授が9/13に「エネルギー問題」を題材に望星講座で講演を行うそうだ。 望星講座とは、東海大学の創立者の私塾がオープンになったものとのことで場所は東京の中央線三鷹駅に近いとのこと。 詳しくはリンク先…

【気になるニュース】老朽化した火力発電所の運用

現在大飯原子力発電所4号機が定期検査に入り、再び日本全国で一基も原子力発電所が稼働していない「原発ゼロ」の状態となった。にも関わらず大規模な停電は起きていない。特に原子力発電無しで真夏を乗り切った電力会社の管内では、「原発がなくても電気は足…

【書評】『クーリエ・ジャポン2011年6月号』ほんとうの「原子力」の話

震災の記憶も生々しい三ヶ月後に、この特集を組めることには素直に感嘆した。冒頭のThe Economistの記事は、原発事故でより天然ガスの需要が高まりその供給能力も十分あるという妥当な見解だった。 37ページのニジェールのウラン採掘現場の汚染の記事は、改…

【ノート】将来のエネルギー利用の論争をめぐる対立

端的に言えば気候変動を人類の最大の問題と捉えて原発を維持・発展させていくべきだというStewart BrandやGeroge Mondioのような人がいる。 一方で原子力発電と再生可能エネルギー市場の相容れなされを論ずるCaroline Rucasのような人がいる。これが世界のエ…

【書評】『私たちはこうして「原発大国」を選んだ』

題名の「原発大国」という言葉が痛い。確かに人口単位で考慮すれば、アメリカを抜きフランスと並んで発電所の数では日本は一位を争う。 この本は示しているのは日本が今日の姿になるまでに存在した原子力を巡る風景だ。各章は「○○年論」という形でまとめられ…

【ノート】寺島実郎が語る「ドイツが脱原発に踏み切れて日本にできない三つの理由」

1. 冷戦下、核の傘に入りアメリカ原子力産業の市場になった そのために日本最初の原子力発電所を広島につくる計画があった。 そのために1955年に「原子力平和利用博覧会」が全国で開かれた。日本人は原子力に夢を魅せられていた。小型の原子炉で動く鉄腕アト…

【映画評】『イエロー・ケーキ——クリーンなエネルギーという嘘——』

この作品は、日本では注目されることの稀なウラン採掘現場の実態を抉ったドキュメンタリィだ。 旧東ドイツ・オーストラリア・ナミビア・カナダへの現地取材・企業取材を通して、ウランを巡る情報・経済・公正について迫っている。 知らないことばかりで目を…

【映画評】『ミツバチの羽音と地球の回転』

浮ついたところがない。地に足が着いている。それらが鑑賞後最初の感想だった。 どのようにしたら、市民生活と摩擦を起こさずにエネルギー供給を確保できるのか。 その一つの問いに製作者が丹念に向き合っていることが視聴者に伝わってくるからこそ、このよ…

【ディスカッション・ペーパー】原子力発電を政治から見るときに必要な視点

・原子力発電を政治の視点から見る際に外してはいけない基本的な問題の一つは「拡散した利益と集中した コスト」だ。 ・よく聞くのは「拡散した利益と集中したコスト」ではなく「集中した利益と拡散したコスト」で、自由貿易を推進しようとすると日本で農業…

【映画評】『シェーナウの想い』

「シェーナウの想い(Schönauer Gefühl)」は、ドイツの片田舎の住民がチェルノブイリ原子力発電所事故をきっかけに原子力フリーの電力供給のために奔走する過程を追ったドキュメンタリィだ。 一般市民が電力会社や州政府との交渉等の課題をクリアし地域電力会…

【書評】『電力改革』

筆者は「日本電力産業発展のダイナミズム」などの著書がある電力・エネルギー産業の研究者。経済産業省「総合資源エネルギー調査会基本問題委員会」委員を務めていた。 筆者は基本的な認識として、ビジネスモデルの歴史的大転換が必要と訴えている。そのため…

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