一身独立

28歳元エリートのブログ。

ディスカッション・ペーパー

発想の転換を迫られる「ベースロード電源」という虚構

欧州の動向を見ると、日本の電力供給は根本的な発想の転換を迫られていることが理解出来る。私が話をしたり、著作を読んだ日本のエネルギー専門家の多くは、「変動型再生可能エネルギー(風力発電、太陽光発電)の大規模導入には、バックアップ電源が必要で…

将来の電力供給を現在のコストで語るな。

電力の話をしていると、「再生可能エネルギーのコストは高いから、大規模導入は出来ない」という意見を耳にすることがある。しかし現在のコストで電力供給体制を語ることは二重の意味で間違っている。まず現在のコストが将来も続くわけではないことが挙げら…

輸入に依存する化石燃料:その三つのデメリット

エネルギー問題に少しでも興味を持ったことのある人なら、「日本のエネルギー供給は、輸入される化石燃料に依存している」という事実を耳にしたことがあるだろう。2014年の一次エネルギー供給に占める化石燃料の割合は、92%であり、2013年度の海外からの化石…

【ディスカッション・ペーパー】日本も優先給電を導入すべきだ。

再生可能エネルギー普及を優先するならば、優先給電はFIT(再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度)と並ぶ重要政策である。優先給電とは、再生可能エネルギーで発電した電力を優先して系統に取り入れることである。日本では、その原則が徹底されておらず…

『夢で語るな 日本のエネルギー』を批判する(その2)。

今日も「夢で語るな 日本のエネルギー」の批判をしていきたい。 原子力事業への評価の前提 鈴木氏は「原発問題の根本は恐怖からきている(p69)」という。しかしこの本の出版から5年経ち、原発業界を悩ませているのは人々の恐怖心ではなく、原発は割に合わ…

やっぱり寂しい日本の気候変動対策

「京都議定書」という単語を耳にしたことはあるだろうか。京都議定書とは1997年に合意された国際的な気候変動対策を約した文書で、日本は2008年から2012年にかけて、1990年比で温室効果ガスの排出を6%削減する義務を課せられていた。その結果はどうなったの…

【ディスカッション・ペーパー】「炭素税」を機能させよ

「カーボン・プライシング」という概念がある。気候変動の最大の原因である二酸化炭素の排出に価格をつける制度のことで、炭素税や排出権取引、クリーン開発メカニズムなどが含まれる。 今日は特に炭素税について話をしたい。実は炭素税は日本で、「地球温暖…

オバマ政権のアジア・リバランス――クリントン元国務長官のエッセイより

Foreign Policyに2011年11月10日に掲載されたヒラリー・クリントン氏(当時国務長官)のエッセイである"America`s Pacific Century"(http://foreignpolicy.com/2011/10/11/americas-pacific-century/?wp_login_redirect=0)は、オバマ政権の外交政策につい…

洋上風力発電は日本で普及するか

私は以前から洋上風力発電に注目している。 再エネで唯一 洋上風力発電は、再生可能エネルギーで唯一大規模プロジェクトが可能な電源であることがその理由だ。エネルギー自給率の向上と、気候変動対策のためには、再生可能エネルギーへのシフトは不可欠であ…

日本のエネルギー政策をめぐる全国紙の報道の問題点

本記事では日本のエネルギー政策をめぐる日本の全国紙による国際報道の問題点について取り上げる。東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故以降、新聞のエネルギー政策への注目度も上がったように見受けられる。しかしそれらの報道の中には、当然含ま…

【ディスカッション・ペーパー】「貧困に苦しむ自国民を、貧困に苦しむグローバル貧困層より無条件で優先して助けることは不正なのか」

同胞である日本人ではなく外国人を助ける仕事を選んだ人たちがいる。彼らの話を聞く中で、次の命題に対する疑問が生まれた。その命題とは「貧困に苦しむ自国民を、貧困に苦しむグローバル貧困層より無条件で優先して助けることは不正である」というものであ…

【ディスカッション・ペーパー】「『国際的な資源特権』が含む問題群とその解決策の検討」

【序論】 本記事は「国際的な資源特権」という問題を取り上げる。まず「『国際的な資源特権』がどのように資源配分を歪め、グローバル貧困層の権利を奪っているか」という問いに答え、「国際的な資源特権」 が引き起こす問題群を明らかにする。次に「国際的…

【ディスカッション・ペーパー】「原子力発電所をめぐる社会選択の問題点とその解決策」

(金子, 2007,pp234-235)において、登場人物の一人である「判事」は、社会制度を選択する手段として社会正義を捉えている。社会制度は価値中立化される必要があり、恣意的な価値観が反映されるものになってはならないと考えているのである。本記事では原子…

【ディスカッション・ペーパー】日本の地球温暖化対策中期目標「約束草案」は妥当か。

本記事では、昨年提出された日本の地球温暖化対策中期目標であり、国際的にコミットした公約でもある「約束草案(INDC: Intended Nationally Determined Contributions)」の妥当性を検証する。約束草案とは、2020年以降の国際的な気候変動対策を話し合う昨年…

【ディスカッション・ペーパー】今後の天然ガス利用の在り方

私が日本は天然ガスの利用を拡大すべきと意見を常々主張しているのは、過去記事にもあるとおりだ。flatenergy.hatenablog.comエネルギー源のチャンピオンは、近代以降、石炭、そして石油 が担ってきた。次のエネルギー源のチャンピオンとして利用が広がって…

【ディスカッション・ペーパー】デカップリング――エネルギー必要神話の終焉

人間の豊かな生活に寄与する経済成長。その経済成長には、エネルギー使用量の伸びが欠かせないと考えられてきた。実際一人当たりGDPが12000ドル以下の場合、電力使用量と経済成長の間には有意な相関関係があるという研究結果がある。しかし私たちは異なる世…

気候変動問題は人権問題である。

気候変動問題が人権問題であり倫理的要請に基づいて解決すべき問題と言う認識を、日本人はほとんど持っていないのではないだろうか。気候変動によって台風やハリケーンや干ばつが人を殺し、農民の収入源である家畜や農作物に被害を与える。それらは気候変動…

気候変動は典型的な集合行為問題

「気候変動(地球温暖化)」をめぐる交渉は「失敗の歴史」と言える。気候変動に対する具体的な行動として期待された「京都議定書」。だがその第一次約束期間(2008-2012)は、アメリカ合衆国の脱退で宙に浮くことになった。第二次約束期間(2013-2020)も、日本…

「金より命」は響かない――反原発派が提示すべき代替案を提案する

反原発派がいまだに主張している「金より命」が大事だから、原発を止めるべきという主張がある。実際先日訪れた国会議事堂前の反原発デモでも、主張している人がいた。彼らの主張に沿えば、原発稼働を主張する人は「作業員の被曝・被爆による被害や、事故時…

気候変動問題が内包する二つの不公正

気候変動問題は二つの不公正を内包している。 先進国民と途上国民の間の南北不公正と、現在世代と将来世代の間の世代間不公正の二つだ。南北不公正は、気候変動の原因となる温室効果ガスの排出源のほとんどを先進国が占めるという事実から生まれている。 ま…

市民エネルギー事業の意義

それは大企業への富の集中を防ぐことにある。新聞に取り上げられていた秋田で風力発電に取り組む人と、世話になっている市民エネルギー事業を運営している人が同じことを言っていた。現在ほとんどの自治体では、地域内でエネルギーとお金の循環はなく、灯油…

本日の日経新聞に私のエッセイが掲載されました!

九州電力の再生可能エネルギー受け入れ回答保留の問題でも取り上げようかと思っていたが、記事差し替え。本日の日本経済新聞の未来面35ページ、もしくは未来面の電子版( 地球と共存するために、今やるべきことは 学生からの提案 小林喜光・三菱ケミカルホー…

【ディスカッション・ペーパー】日本で天然ガスの利用を広げるにはどのようにすれば良いか?

原子力と再生可能エネルギーの二項対立を巡る議論がかまびすしい。 この記事では、それを無視して日本は天然ガスをエネルギー源として増やしていくべき、という提言を行う。 エネルギーの用途は三種類 エネルギーの用途は、大きく分けて三つある。輸送・電源…

【ディスカッション・ペーパー】僻地で活かす太陽光発電

【意義】 本項では太陽光発電がどのような場面で活かされるか紹介したい。 エネルギー利用を議論する際には、エネルギー源ごとの向き不向きを考慮しなければならない。エネルギー源ごとの特性の違いを考慮しながらの役割分担が、エネルギー利用には必要だ。 …

【ディスカッション・ペーパー】自然エネルギーの地域主権化(天然資源の恒久主権決議を手本に)

長野県飯田市が4月1日より施行した条例には「地域環境権」なるものが明記されている。 【参考】 飯田市再生可能エネルギーの導入による持続可能な地域づくりに関する条例原案http//www.city.iida.lg.jp/iidasypher/open_imgs/info/0000000212_0000018755.pdf…

【ディスカッション・ペーパー】原子力発電を政治から見るときに必要な視点

・原子力発電を政治の視点から見る際に外してはいけない基本的な問題の一つは「拡散した利益と集中した コスト」だ。 ・よく聞くのは「拡散した利益と集中したコスト」ではなく「集中した利益と拡散したコスト」で、自由貿易を推進しようとすると日本で農業…

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