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エネルギーで一身独立

自由・自立・自律と、エネルギー問題を中心にサステナビリティに関する有益な情報を提供するための記事を書いています。

【書評】環境ビジネス特別号「ポストFIT」

最近私が関心を持っている日本の太陽光発電市場の現況と展望を、解りやすくまとめてくれた雑誌だ。所感を以下に箇条書きにしていく。・当初のFIT(固定価格買い取り制度)が太陽光発電事業者の利益に配慮した期間が終わったことを踏まえ、入札制度への対応や…

【書評】『里山発電』

この本はソーラー・シェアリングの有効性を説いた本である。ソーラー・シェアリングとは、「営農型太陽光発電」とも呼ばれ、農業を行っている土地に支柱と太陽光発電設備を設置して運用する取り組みのことだ。ソーラー・シェリングによって農家は、収入源を…

【気になるニュース】脱炭素に向かう中国とインド

各国の気候変動対策を評価するレポートで有名な「クライメート・アクション・トラッカー」によれば、トランプ政権が気候変動に後ろ向きな政策を取ったとしても、中国とインドが今行っている政策を続ければ、気候変動は解決に向かう道筋が見えてくるという。…

電力は自治体が供給すべき財か。

ドイツでは、電力の再公営化の動きが進んでいるという。民間企業が担っていた電力供給を、自治体が出資する都市公社が担う動きだ。戦後日本の電力供給は、民間企業が担ってきた。しかし考えてみれば、電気やガスなどのエネルギーは、水と同じように生活に欠…

日本の運命を決めた「逆コース」

「逆コース(Reverse Course)」とは、対日占領政策における、アメリカ政府およびGHQの重要な方向転換を指す。日本との戦争で多くの犠牲を払ったアメリカ政府は、当初日本を経済的にも軍事的にも弱い農業国にしようとしていた。そして共産主義の台頭に対して…

日本も「シャロー方式」を導入せよ。

新たに開発された再生可能エネルギーの系統連係の方式には、「ディープ」方式と「シャロー」方式がある。系統とは、電力網のことを指す。前者は発電事業者が系統連係にかかる費用を負担する仕組みで、後者は系統運用者が負担する仕組みだ。日本では、「ディ…

「カーボン・プライシング」から逃げ回る経団連

経済団体連合会は、日本で最も影響力のある企業が加盟する団体である。彼らが2月に出したプレスリリースで、相変わらずカーボン・プライシングから逃げ回る姿勢を一貫して続けていることが確認出来た。http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/016.html?v=s…

EVは石油をマイナーにするか。

EV(電気自動車)の普及が待たれて久しい。自動車やバイクの燃料である石油製品の需要がなくなれば、温室効果ガス排出の削減にも貢献する。では実際にEVが市場のシェアのほとんどを占めた場合、石油の需要はどうなるのか。 エネルギー白書より引用エネルギー・…

揺らぐ覚悟

私は今、エネルギーのことを仕事にするという覚悟を諦めようか、迷っており岐路に立っている。元々エネルギーのことを調べ始めたきっかけは、二つある。一つ目は、模擬国連サークルの活動で、国際問題を浅く広く知っていく状況に危機感を覚えたためだ。この…

中国人の台湾認識、台湾人の中国認識

昨日は中国の「一つの中国」政策について書いた。 中国では愛国教育が行き届いており、みな「台湾は中国の一部」だと考えていると聞く。それでは日本や欧米諸国に出てきた中国人はどうなのか。自国の政府の考えを相対化しているのだろうか。 先日友人の中国…

「一つの中国」政策

中華人民共和国政府は、長らく「一つの中国」政策を取っている。「一つの中国」政策とは、国共内戦の結果、国民党政権が成立した台湾を含めて一つの中国に属するという立場を取るものだ。つまり「一つの中国、一つの台湾」や「二つの中国」は頑として認めて…

「安全保障理事会」の常任理事国の「拒否権」は何のためにあるのか。

ハフィントン・ポストに早稲田の学生が、安全保障理事会の常任理事国が持つ拒否権を批判する記事を掲載していた。 国連安保理の拒否権が紛争下の人々を殺し続けている http://www.huffingtonpost.jp/kanta-hara/un-veto_b_9823904.htmlそこで彼が言及してい…

不都合な真実――尖閣問題に対するアメリカ政府の立場

2014年4月、オバマ大統領が来日し、「尖閣諸島を含む日本の施政下にある領域に、日米安全保障条約が適用される」と明言した。日本人の多くは、尖閣諸島をめぐって自衛隊が攻撃を受けた時に、米軍が自衛隊と一緒になって反撃してくれるのだと、安心した人も…

地熱発電の勉強会

昨日は「国際資源・エネルギー学生会議」の勉強会に参加してきた。テーマは地熱発電。最近はあまり調べていなかったが、新しく得られた知識もあったので、興味深かった。地熱発電は主に200℃以上の地中の流体を利用した発電システムである。http://www.chinet…

「仮想発電所(VPP)」の可能性

最近、「仮想発電所(VPP:Virtual Power Plant)」について調べている。 「仮想発電所」とは、複数の分散型発電・蓄電設備を情報通信技術によって制御し、複数の設備を一つの発電所の様にみなして、電力を運用する概念である。発電事業者のみならず、家庭の…

「フリーテル」Priori3は買うな!

物議をかもすのを覚悟で書いていきたい。「フリーテル」という会社をご存じだろうか。家電量販店などにもコーナーがつくられ、最近は自ら店舗も持っている、新進気鋭と言われている日本のヴェンチャー企業だ。事業としては、スマート・フォンの製造・販売が…

学生の本業を理解していない太陽光パネル・メーカー「アンフィニ」の独善的態度

腹の立つことがあったので、つらつらと書いていきたい。 もしかしたら、物議をかもすかもしれないが、その時はその時だ。今日メルマガで偶然「アンフィニ」という企業があるのを知った。https://infinigroup.co.jp/日本資本の太陽光パネル・メーカーのようだ…

エネルギーの地産地消という課題に立ち向かう地方自治体

エネルギーの地産地消は、聞こえの良い題目である。エネルギー利用は大きく分けて、動力、熱利用、電力がある。 送ることが難しい熱利用は、地産地消に向いている。しかし電力は需要が小さくて広域運用が出来ない場合、平滑化(ならし)が難しく、わずかな需…

アメリカのシリア空爆

衝撃的なニュースが入ってきたので、政治学徒として記事を書いてみたい。早稲田大学の最上敏樹先生も指摘しているが、今回の空爆は人道的介入や、国際法上正当な武力行使と呼ぶことは難しい。人道的介入とは、「原則武力行使が禁止されている国際法における…

【気になるニュース】三つのエネルギー・ニュース

今日はエネルギー関連で、最近発表された気になっているニュースを紹介する。 まずは研究開発関連のニュースだ。 電気自動車の革新? 世界初、走る電気自動車へワイヤレス給電に成功 http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1704/07/news034.html企業…

【書評】「再生可能エネルギー政策の国際比較」

この本は、日本と世界の再生可能エネルギー政策を日本語で知るための、最新の専門書である。系統運用について詳しい京都大学の安田陽氏や、再生可能エネルギーの経済分析について詳しい山家公雄氏などが執筆に当たっている。欧米の政策の動向を見ていると、…

【書評】「再生可能エネルギーの政治経済学」

「原発のコスト」などの著書がある立命館大学の大島先生の著作だ。基本的に彼の立場は「原発は政府が言うように安い訳ではない」という結論である。様々な文献や海外の事例にあたりながら、日本政府の政策を批判していく手際は、読んでいて痛快だ。3.11前の…

そもそもなぜエネルギー・シフトが必要なのか。

エネルギー・シフトとは、特に電力について、現状の火力・原子力中心の運用から、省エネと再エネ普及によって、再エネ中心の運用に転換することを意味する。 以下の図が解りやすい。 環境エネルギー政策研究所(ISEP)資料その利点は三点ある。 分散型国産電…

ドイツの再エネ普及成功の要因

ドイツは世界4位の経済力を持ちながら、電力構成に占める再エネの割合を上げることに成功してきた。2000年には6.6%だった電源に占める再エネ比率は、2015年には30%となっており、「基幹電源」としての役割を果たしていると言って差し支えない。このようなこ…

再生可能エネルギー普及政策の三分類

今日は再生可能エネルギー普及政策について解説していきたい。 再生可能エネルギー普及政策には、大きく分けて三つの分類がある。 固定枠制度(RPS) RPS(renewable portfolio standard)とは、電力事業者に一定量の再生可能エネルギーの導入、もしくは再生可…

我が家の電気を新電力に変えて2カ月。

2か月前に我が家(4人家族・戸建)の契約電力会社を「東京電力」から「looop」に切り替えた。2016年4月に電力小売りが全面自由化されたことは知っているものの、電力会社を切り替えていない人も少なくないのではないだろうか。今日はまだ電力会社を切り替…

【気になるニュース】新規石炭火力発電所計画の撤回

一昨日23日に、電力業界の流れを変え得る重要な発表があった。「関西電力」と「東燃ゼネラル石油」が、千葉県市原市に計画していた石炭火力発電所建設の撤回を発表したのだ。(以下のリンクは「朝日新聞」の記事) http://www.asahi.com/articles/ASK3R5RWNK…

お金と仕事

最近はずっとお金と仕事について考えている。いい加減家を出て独立しなければならない年齢だが、実現出来ていないので。なぜこんなに悩まなければならないのかと思うが、貨幣は極めて互換性の高い価値を測る便利な指標である。今のところ、お金なしで生きる…

起業ティップス:出資と融資の違い

最近新規事業を起こす段取りについて、調べている。 ひとまず重要なのは資金調達だ、ということで出資と融資の違いについてメモしておきたい。出資を行う出資者は対価として、株式を得る。そしてその株式の値上がりを期待して出資を行う。出資者は出資先の事…

再エネ業界のオピニオン・リーダーのインタビュー

先日「ベースロード電源」に固執するリスクを指摘した記事を書いた。flatenergy.hatenablog.comこれと同様の意見を、再エネ業界のオピニオン・リーダーの一人である飯田哲也氏が述べているインタビューが発表されたので、紹介したい。http://kokocara.pal-sy…

発想の転換を迫られる「ベースロード電源」という虚構

欧州の動向を見ると、日本の電力供給は根本的な発想の転換を迫られていることが理解出来る。私が話をしたり、著作を読んだ日本のエネルギー専門家の多くは、「変動型再生可能エネルギー(風力発電、太陽光発電)の大規模導入には、バックアップ電源が必要で…

打線と投手のどちらを重視すべきか。

今日はデータを用いて、表題の問いに答えてみたい。統計学で、どの原因が結果にどの程度影響しているかを測る手法は、大きく分けてふたつある。相関分析をしてその結果を比較する方法と重回帰分析である。今回、重回帰分析は異常な値が出たので、何か間違い…

将来の電力供給を現在のコストで語るな。

電力の話をしていると、「再生可能エネルギーのコストは高いから、大規模導入は出来ない」という意見を耳にすることがある。しかし現在のコストで電力供給体制を語ることは二重の意味で間違っている。まず現在のコストが将来も続くわけではないことが挙げら…

データを用いたライオンズへの提言

私は幼い頃より埼玉西武ライオンズのファンである。 今日は3年連続Bクラスに沈んでいるライオンズの課題を指摘する。まずは2016年のパ・リーグチーム成績を確認しておこう。野球には投球・守備・打撃・走塁の4要素がある。しかし守備と走塁は成果を定量化…

気候変動対策の最近の潮流

アメリカでトランプ政権が発足した。トランプ大統領は、「パリ協定」の順守放棄や、オバマ政権が始めた火力発電規制を辞めることに言及している。気候変動対策に比較的前向きだったオバマ政権とは、異なる政策が取られていくようだ。特にティラーソン国務長…

輸入に依存する化石燃料:その三つのデメリット

エネルギー問題に少しでも興味を持ったことのある人なら、「日本のエネルギー供給は、輸入される化石燃料に依存している」という事実を耳にしたことがあるだろう。2014年の一次エネルギー供給に占める化石燃料の割合は、92%であり、2013年度の海外からの化石…

【ディスカッション・ペーパー】日本も優先給電を導入すべきだ。

再生可能エネルギー普及を優先するならば、優先給電はFIT(再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度)と並ぶ重要政策である。優先給電とは、再生可能エネルギーで発電した電力を優先して系統に取り入れることである。日本では、その原則が徹底されておらず…

【書評】「エコノミスト 電気代は税金となった(その2)」

今日も経済誌の書評を書いていきたい。 今日は託送料金について。 本当に適切? 原発賠償の国民負担 政府の委員会は、7.9兆円と試算されている賠償費用のうち、2.4兆円を託送料から回収する方向で議論を進めている。これはひどい話で、日本国内において原発…

【書評】「エコノミスト 電気代は税金となった(その1)」

経済誌で気になる特集が組まれていたので紹介したい。記事を読んでいくと、原発の本当のコストを研究している立命館大学の大島堅一氏、再生可能エネルギーの研究をしている高橋洋氏、欧州の電力システムに詳しい安田陽氏など、私でも知っている研究者が記事…

『夢で語るな 日本のエネルギー』を批判する(その3)。

今日も批判をしていきたい。本書では、「日本国内に二酸化炭素排出余地はなく、海外で日本の技術を使って排出削減すべき」という主張が行われている。しかしこの主張には根拠がないと私は考える。詳しくは以下の私の論考を見てほしいが、要は日本国内には二…

『夢で語るな 日本のエネルギー』を批判する(その2)。

今日も「夢で語るな 日本のエネルギー」の批判をしていきたい。 原子力事業への評価の前提 鈴木氏は「原発問題の根本は恐怖からきている(p69)」という。しかしこの本の出版から5年経ち、原発業界を悩ませているのは人々の恐怖心ではなく、原発は割に合わ…

『夢で語るな 日本のエネルギー』を批判する(その1)。

2012年に出版された「夢で語るな 日本のエネルギー」という本を買ってみた。 これがなかなか「ひどい」内容なので、批判をしていきたい。 著者は作家の鈴木光司氏と、ウェッジなどにも寄稿している山本隆三氏だ。 一方的な批判 読んでみた感想としては、著者…

「テスラ」の新たな目標

今年の1月、業務提携しているテスラとパナソニックは、電気自動車用電池工場「ギガファクトリー」を稼働させた。https://www.tesla.com/jp/gigafactory両社は生産性の向上によって、電池にかかるコストの「3割削減」を目指しているという。 生産された電池…

日本でも起きる電力会社の「死のスパイラル」

「電力会社の死のスパイラル」とは、以下のような因果経路をたどる。(レスター・ブラウン「大転換」より引用) 「電力の一部を屋上の太陽光発電から得る顧客が増えるにつれて。その電力会社は顧客に販売する電力量が減るため、損失を被る。そして、太陽光発…

電力会社選びのポイント

2016年4月から低圧(家庭・小規模事業者)向けの電力小売りが自由化された。しかしまだまだ電力会社を切り替えたという人は多くない。その要因の一つが、情報が行きわたっていない点にあるだろう。 今日は家庭や商店の電力会社乗換のポイントを解説したい。…

気候変動対策の指針「スターン・レビュー」

「スターン・レビュー」は、スターン卿を中心にまとめられた気候変動政策の報告書である。その結論は単純で、「早期に気候変動対策を行った場合の便益は、気候変動対策を行わなかった場合のコストをはるかに上回る」というものだ。対策を講じなかった場合の…

「かさこマガジン7」が届いた!

以前会った「カメライター(カメラマン+ライター)」のかさこさんから、セルフマガジン「かさこマガジン」が届いた。セルフマガジンとは、自分の活動理念や出来る仕事内容をまとめた冊子で、無料の営業ツールとしてかさこさんが配っているものだ。毎回自費…

「帰無仮説」という工夫

今回は統計学で用いられる「帰無仮説」について解説したい。帰無仮説とは、統計的に仮説を検証する際に用いられる手法だ。通常主張したい仮説(対立仮説)とは、相互排他的な逆の主張を帰無仮説に設定する。例えばGDPが二酸化炭素の排出量に影響を与えている…

「内政不干渉原則」のメリットとデメリット

内政不干渉原則とは、他国の内政に関わる事項に関与することは許されないという国際法のことを指す。国連憲章や、友好関係原則宣言において明記されている。主なメリットは、主として大国が小国の政治に口出しや、武力介入するのを防止することだろう。冷戦…

実証政治学の役割

以前、因果メカニズムの理解が必要だという記事を書いた。flatenergy.hatenablog.com因果メカニズムをきっちりと詰められる人は政治以外のビジネスなどの分野でも重宝するだろう。政治学の分野で言えば、政治家の主張を検証することも実証的な政治学の重要な…

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