一身独立

28歳元エリートのブログ。

エネルギー自給のメリット・デメリットを思いつく限り挙げてみた。

【目次】 デメリット1:既存のインフラが無駄になる。 デメリット2:化石燃料産業従事者が失職する。 デメリット3:代替のインフラを考案・構築しなければならなくなる。 メリット1:地域外・海外への富の流出がなくなる。 メリット2:供給途絶リスクが…

自然変動型再エネ普及に付随する火力発電の稼働率低下

再生可能エネルギーの普及政策には様々な手法がある。そのうちの一つに「FIT(固定化価格買い取り制度)」を機能させるために不可欠な「優先給電」がある。「優先給電」とは、再生可能エネルギーによって発電された電力を、他の電源より優先して電力系統に供…

「炭素予算」と「放射性廃棄物予算」

「炭素予算」とは、世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて2℃/1.5℃未満に抑えるために、排出することの出来る炭素の量である。 あと1兆トンしか…… ポツダム気候影響研究所の調査は、気温上昇が 2℃を超える確率を 20%に抑えるには、2000 年から 2050 年まで…

最後の安全保障の勉強

先日、大学で行われた講演会を聴いてきた。 大学には国際関係を学びたいと考えて入った。 最初は安全保障に関心を持ち学んだが、次第にエネルギー・気候変動に関心が移っていった。今日の講演会が、最後の安全保障の勉強になるだろう。 そう考えると、何とも…

どうすれば気候変動に関心を持つ人が増えるか。

気候変動が、関心を持ちにくい性質を持っているのは間違いない。その理由は2点指摘出来る。1点目は、原体験を持つのが難しい点にある。原体験とは、関心を抱くきっかけとなった経験である。特に武力紛争や貧困などの開発アジェンダと比べた場合、被害者の…

「制度」に関する演繹的研究と帰納的研究

今期、「比較経済制度分析」という授業を履修している。これがなかなか面白い。面白いと思える理由の一つは、制度は日本を分析する際にも、世界を分析する際にも有用な概念であるためである。例えば日本企業の制度は、経済学において興味深い研究対象であり…

「気候変動の経済学(スターン・レビュー)」

今日は気候変動に関する意思決定に対して、経済学の観点から提言した「スターン・レヴュー」の要約版を読んだので、紹介したい。本文は600ページ以上ある上に、がっつり経済学的分析をしているので、とてもではないが読めなかった。本報告書は、イギリス政府…

極地の氷が解けても、海面上昇は起きない。

気候変動の影響に関するよくある誤解の一つに、「暖かくなる→極地の氷が溶ける→海水が増える→海面が上昇する」というものがある。確かに極地の氷は溶けるが、コップに入れた氷が溶けても水の体積は増えないように、海水の体積も増えない。海面上昇をもたらす…

東北で注目を集め始めた風力発電

2010年に環境省が行った日本における風力発電のポテンシャルの1/4は、東北にある。北海道の方がポテンシャルは大きいのだが、当面は需要地である関東に近い東北での開発が、日本における風力発電普及の最重要課題だ。この記事では、秋田・青森・山形の取り組…

エネルギー供給の将来シナリオ比較

今日はエネルギー供給の将来シナリオを紹介していきたい。複数の機関が、将来シナリオを発表しており、その内容には大きな乖離がある。知って頂くと面白いだろう。最初に紹介する文書は、「日本エネルギー経済研究所」の「アジア/世界エネルギーアウトルック…

日本版「安全保障のディレンマ」

オーストラリアの戦略家ヒュー・ホワイトは、中国の台頭によって日本が直面するディンレマについて指摘している。中国の台頭が招く帰結は、それまでアメリカが握っていた北東アジアの覇権が、中国に少しずつ移行することを意味する。 そして中国の国力が増す…

「パリ協定」の解説

「パリ協定」とは、世界の気候変動対策の基礎となっている国際合意である。一昨年の秋に、パリで合意された。世界全体の目標として、産業革命前と比べた世界の平均気温上昇を、2度以内に抑え, 1.5度未満にするよう努力することが明記された。世界の平均気温…

「エネルギー自立」の最大の利点は何か。

私がかねてより提唱している「エネルギー自立」の最大の利点は何だろうか。それはアフリカや中東で起きている紛争の原因の一つを取り除くことが出来る点にある。例えば、スーダン内戦が激しかった時期に、日本は石油をスーダンから買っていた。私たち日本人…

規定路線となる日本の再生可能エネルギー普及

経済産業省が2015年7月に発表した「長期エネルギー需給見通し」では、再生可能エネルギーは「最大限の導入拡大」を図ることが明記された。2015年の電源構成に占める再生可能エネルギーの比率は、14.5%である。2030年の電源構成では、再生可能エネルギーを22…

「風力発電の導入拡大に向けた土地利用規制・環境アセスメントの検討」

「自然エネルギー財団」が風力発電普及を妨げる要因を分析した報告書を発表している。簡単に紹介したい。日本では2015年時点で風力発電の導入量が300万kwに留まっている。2012年のFIT(再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度)の導入で国内では太陽光発…

「搾取工場」のディレンマ

途上国に立地しているファスト・ファッションの工場では、労働者が劣悪な環境を強いられているという。消費者、生産企業、先進国政府、途上国政府などの各アクターは、それぞれ役割を果たしているだけで、単独にその責任を追及することは出来ない。しかし結…

電力は自治体が供給すべき財か。

ドイツでは、電力の再公営化の動きが進んでいるという。民間企業が担っていた電力供給を、自治体が出資する都市公社が担う動きだ。戦後日本の電力供給は、民間企業が担ってきた。しかし考えてみれば、電気やガスなどのエネルギーは、水と同じように生活に欠…

【政治経済の用語解説】逆コース

「逆コース(Reverse Course)」とは、対日占領政策における、アメリカ政府およびGHQの重要な方向転換を指す。日本との戦争で多くの犠牲を払ったアメリカ政府は、当初日本を経済的にも軍事的にも弱い農業国にしようとしていた。そして共産主義の台頭に対して…

再生可能エネルギー普及政策の三分類

今日は再生可能エネルギー普及政策について解説していきたい。 再生可能エネルギー普及政策には、大きく分けて三つの分類がある。 固定枠制度(RPS) RPS(renewable portfolio standard)とは、電力事業者に一定量の再生可能エネルギーの導入、もしくは再生可…

発想の転換を迫られる「ベースロード電源」という虚構

欧州の動向を見ると、日本の電力供給は根本的な発想の転換を迫られていることが理解出来る。私が話をしたり、著作を読んだ日本のエネルギー専門家の多くは、「変動型再生可能エネルギー(風力発電、太陽光発電)の大規模導入には、バックアップ電源が必要で…

将来の電力供給を現在のコストで語るな。

電力の話をしていると、「再生可能エネルギーのコストは高いから、大規模導入は出来ない」という意見を耳にすることがある。しかし現在のコストで電力供給体制を語ることは二重の意味で間違っている。まず現在のコストが将来も続くわけではないことが挙げら…

輸入に依存する化石燃料:その三つのデメリット

エネルギー問題に少しでも興味を持ったことのある人なら、「日本のエネルギー供給は、輸入される化石燃料に依存している」という事実を耳にしたことがあるだろう。2014年の一次エネルギー供給に占める化石燃料の割合は、92%であり、2013年度の海外からの化石…

【ディスカッション・ペーパー】日本も優先給電を導入すべきだ。

再生可能エネルギー普及を優先するならば、優先給電はFIT(再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度)と並ぶ重要政策である。優先給電とは、再生可能エネルギーで発電した電力を優先して系統に取り入れることである。日本では、その原則が徹底されておらず…

【書評】「エコノミスト 電気代は税金となった(その2)」

今日も経済誌の書評を書いていきたい。 今日は託送料金について。 本当に適切? 原発賠償の国民負担 政府の委員会は、7.9兆円と試算されている賠償費用のうち、2.4兆円を託送料から回収する方向で議論を進めている。これはひどい話で、日本国内において原発…

【書評】「エコノミスト 電気代は税金となった(その1)」

経済誌で気になる特集が組まれていたので紹介したい。記事を読んでいくと、原発の本当のコストを研究している立命館大学の大島堅一氏、再生可能エネルギーの研究をしている高橋洋氏、欧州の電力システムに詳しい安田陽氏など、私でも知っている研究者が記事…

『夢で語るな 日本のエネルギー』を批判する(その3)。

今日も批判をしていきたい。本書では、「日本国内に二酸化炭素排出余地はなく、海外で日本の技術を使って排出削減すべき」という主張が行われている。しかしこの主張には根拠がないと私は考える。詳しくは以下の私の論考を見てほしいが、要は日本国内には二…

『夢で語るな 日本のエネルギー』を批判する(その2)。

今日も「夢で語るな 日本のエネルギー」の批判をしていきたい。 原子力事業への評価の前提 鈴木氏は「原発問題の根本は恐怖からきている(p69)」という。しかしこの本の出版から5年経ち、原発業界を悩ませているのは人々の恐怖心ではなく、原発は割に合わ…

『夢で語るな 日本のエネルギー』を批判する(その1)。

2012年に出版された「夢で語るな 日本のエネルギー」という本を買ってみた。 これがなかなか「ひどい」内容なので、批判をしていきたい。 著者は作家の鈴木光司氏と、ウェッジなどにも寄稿している山本隆三氏だ。 一方的な批判 読んでみた感想としては、著者…

日本でも起きる電力会社の「死のスパイラル」

「電力会社の死のスパイラル」とは、以下のような因果経路をたどる。(レスター・ブラウン「大転換」より引用) 「電力の一部を屋上の太陽光発電から得る顧客が増えるにつれて。その電力会社は顧客に販売する電力量が減るため、損失を被る。そして、太陽光発…

電力会社選びのポイント

2016年4月から低圧(家庭・小規模事業者)向けの電力小売りが自由化された。しかしまだまだ電力会社を切り替えたという人は多くない。その要因の一つが、情報が行きわたっていない点にあるだろう。 今日は家庭や商店の電力会社乗換のポイントを解説したい。…

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