一身独立

多動性を発揮し、「21世紀の百姓」を目指す27歳元エリートのブログ。

【気になるニュース】コンピュータへの課税の是非


今日もニュース英語の授業で読んだエコノミストの記事を紹介していきたい。

この記事は、「マイクロソフト」創設者のビル・ゲイツの提案への批判記事である。
ゲイツ氏はあるインタヴューで、政府はロボットへの課税を検討すべきだと提案した。彼は急速な自動化の進展を管理する社会の能力に対して、疑念を表明したという。

ロボットに課税して、ロボットのコストを上げ、企業に人間を雇うインセンティヴを与えるというのが、この提案の狙いだろう。
しかしエコノミストはこの提案を真っ向から批判する。

記事によれば、ゲイツ氏はロボットへの投資を石炭火力発電所への投資のようなものだと理解しているという。つまり経済的な成果と同時に、社会にコスト(いわゆる負の外部性)をかける財だと理解しているのだ。ロボットへの投資が生むコストとして、長期に渡る失業が想定される。失業者が増えれば、政府は財源としての納税者を失い、逆に社会保障で支える必要が出てくる。

大気汚染を招き、気候変動の原因物質である温室効果ガスを排出する石炭火力発電所は、膨大な負の外部性を生んでいる。外部性のある財には、ミクロ経済学で想定されている完全競争市場が成り立たず、「市場の失敗」が起きることが知られている。中央政府地方自治体の適切な介入が求められるのである。
少なくない経済学者が、二酸化炭素の排出に課税する炭素税や、排出権を設定して取引させる排出権取引の導入に賛同しているのも、石炭火力発電所が典型的な市場の失敗であるためである。

記事は、このようなゲイツ氏の想定の誤りを指摘する。まずロボットへの投資は、人間をより生産的にする、と主張するのである。確かに一部の労働者は職を失うかもしれない。ただ労働者全体で見れば、消費財・サーヴィスの価格が下がるため、消費者はロボットへの投資から恩恵を受ける。逆にロボットへの投資を怠れば、医療や介護にかかる社会保障が膨張していく一方になってしまう恐れがある。

結論を述べれば、メリットとデメリットを勘案すれば、恐れるべきはロボットの導入による自動化ではなく、ロボットの導入が遅れることなのだ、と記事は主張する。

それでは自動化の進展によって失職した人には、どのような社会保障を提供すべきか。記事は一案として、自動運転タクシーから得た収入を失業者に与えてはどうか、と提案している。まさに自動化による利益を、多くの個人に分配するという発想である。

記事は最後にこう締めている。ロボットは一見便利な元凶である。しかし現代は一部の支配的な企業が生まれ、彼らの利益に課税することを検討すべきではないか。労働者も機械も供給過剰であり、一部の支配的な企業はそれらを安い価格で利用している。個人的には、そのような社会ではベーシック・インカムの導入が、有力な選択肢として上ってくると考えている。


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